人がカウンセリングに行こうとするのはどんなときだろうか。
誰かに勧められたとか、上司に指示されてという場合には、自分の意思決定でないということもありうる。
しかし、そうでなければ、クライアント自身が、カウンセリングに行くことを必要または適切だと感じたということだろう。
それでは、何がきっかけとなるのか。
別の言い方をすると、なぜ「今」「このタイミング」でカウンセリングに来たのかという理由があるはずだ。
それを考えるのは、まずはカウンセラーの仕事となり、もしかしたらクライアントとの共同作業の中ではっきり確認されていくかもしれない。
カウンセリングのきっかけを歯のトラブルで例えて考えてみよう。
自分の歯を定期的にキチンとメンテナンスし続けているというのでなければ、潜在的に歯に何らかの不安要素やトラブルを抱えていることはよくある。
だが、人間なかなか腰を上げないものだ。
歯科検診などで、ちょっとした問題を指摘されたり、歯科通院を1回や2回勧められたくらいでは実際に行動はしない。
やはり、人が歯科に行くときというのは、「痛くなってから」というのがどうしても多くなる。
切羽詰らないとアクションを起こせない。
それが、突然に生命に関わるようなものではなく、日常の陰でじわじわと進んでいくような歯のことであればなおさらだ。
カウンセラー目線で行くと、この「なぜ今か」ということを忘れないようにする。
クライアントが、どこから自分の悩みを語りはじめたとしても、それが本当にテーマを適切かつ最短距離で表現しているとは限らない。
カウンセラーは、クライアント本人も気づいていなかったり、無意識下に押し込めてしまっていたりするテーマを、適切に取り扱うことをサポートする。
ただし、私自身でも実感しているのだが、余暇があって、つまりヒマなのでカウンセリングやら自己啓発やらで、自分や生活を見つめなおそうというクライアントも当然いる。
時間と気持ちの余裕ができたのでここらで一つ、歯科にいってひと通り点検してもらっておこうかというような感覚だ。
こうした気軽でカジュアルな通院なりカウンセリングでも、なにかしら問題や適当なテーマ、そしてやるべきことや処置が出てくることは間々あるのだが。
2012-08-31 08:00

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