精神科医でも「診断」を理解していない

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うつ病や統合失調症、神経症や適応障害などを、プロフェッショナルとして精神科医が判定・判断し、「診断」するということについての理解が浅いことがある。
「診断」は、ツールであり、窓だ。

精神科の診断はなんのためにするのか?あるいは新型うつについて | deathhacks

診断は窓に過ぎない | deathhacks

よくあるのが、診断基準に当てはめて、ある患者・クライアントに、その結果をそのまま伝えることだ。
「うつ病ですね」
「診断書は『うつ状態』にしておきますよ」
「言い方、書き方は『自律神経失調症』の方がいいですか? 希望をおっしゃってください」
これらのフレーズは、科学的に事実だと思われることであったり、一見配慮を含んでいるように見えたり、正しいことを言っていたりするように思える。

しかし、大事なことや、本当に患者・クライアントのためになる配慮をしていない可能性がある。
患者が知りたいのは、「診断名」ではなく、その診断によって、あるいは自分の今の状態が何なのか、だ。
それによって、何ができて、何ができないか。
仕事は続けられるのか、続けていいのか。
生活を変える必要があるのか。
病院にはどのくらい通わなくてはいけなくて、薬はどのようにするのか。
お金はどのくらいかかるのか。
そして、治るのか否か。

質問・疑問のうち、いくつかには答えを用意し、説明するとは思うが、なぜ当事者がそれを考え、その心配をしているのかという視点が医療には不足している。
ただ単に仕事として、決められた、科学的・医学的判断を供給・提示するだけでは足りない。
でなくては、診断を告げ、患者やクライアントの不安を最大限にあおるだけあおって、当事者の最大の関心事について考えることもなく医療をしていることになる。

2011-08-30 08:00

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