カウンセリングの目標と必要な要素とは

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カウンセリングの目標はリレーションをつくること

カウンセリングの目的は、個人の不快を解消することや、現在よりさらに望ましい人生を得ることの支援である。
そのための目標としては、カウンセラーとクライアントのリレーションをつくること、あるいはカウンセラーがクライアントの味方になることが挙げられる。

なぜリレーションをつくることや味方になることが目標になるのか。
そのような関係、状態が生まれれさえすれば、あとはカウンセラーはクライアントの気持ちの支えになるなり、求められればアドバイスをするなり(その実行自体や結果はまた別問題として)自由にすれば良いし、言い切ってしまうと「どうとでもなる(うまくいく)」からだ。
ある悩みがカウンセリングのテーマのように見えても、単純にそれそのものにカウンセラーが立ち向かう必要は必ずしもない。

いい加減なことを言っているようだが、味方にさえなればあとは自然に良い方向に向かう。
カウンセリングというものは、プラスを目覚ましく増やすものというよりは、大失敗や取り返しのつかないような後退をなるだけ避けるための保険のようなものだと思っている。
カウンセラーがそういうサポートをしたからには、後はクライアント自身の運や力量に責任がある。

リレーションをつくるために必要なものは時間、経験、専門性、共感

リレーションをつくり、クライアントの味方になるためには、いくつかの要素が利用できる。
ここでは思いついたままに4つ挙げるが、それぞれが必ず必要という訳ではなく、心がけるための道しるべのようなものと考えている。

  • 時間:人間がお互いに信頼することができるようになるには「時間」が必要である。たとえ、はっきりと有益な時間でなく、チグハグだったり、多少の失敗や誤解を伴っても、共に同じ目標に向かって過ごしたという事実は良いリレーションへ近づくことにつながる。もちろん、仕事でも友情でも恋愛でも、瞬間的、直感的に気持ちが通じ合うということはあり得る。しかし、プロの現場でそのような低確率の可能性に頼るのは難しい
  • 経験:人生やカウンセリングの実績は、クライアントに安心を与え、カウンセラーが自信を持って取り組むのに、うまく利用したい
  • 専門性:プロとして、カウンセリングをマネジするならば、可能な限り、事前に、継続して、学んでおかなくてはいけない。歴史は短いとは言っても、カウンセリングや心理学、精神科医療などの情報はさまざま膨大に存在している。しかも今は手に届きやすい。経験・体験からしか学習できないことは確かに多くあるが、すでに分かっている落とし穴にハマる失敗をわざわざしなくても良い。クライアントにしろカウンセラー自身にしろ、その人生は唯一無二のものだろうけれども、過去先人が経験していないことというのは驚くほど少ないというのが世の中というものだと思う
  • 共感:共感はつまり、カウンセラーが他人でありながら、クライアントと同じ体験をすることである。現実にそれは不可能だけれども、クライアントはそう感じるし、カウンセラーはプロとしてのメタ感覚を持ちつつも、気持ちや思考を「理解する」ことが共感である。ところで、カウンセリングというと、共感に始まり共感に終わる、というような認識が多いかもしれない。しかし、あえて最後に持ってきた。それは「共感」がここまでに挙げた3つとは違い「水物」である面が大きいからである。プロとしては、確率の高い、使いやすいツールや要素が他にあるのならば、それがプロ専用のものでなくても迷わず使いたい。

2011-03-29 13:00

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