たいていカウンセリングセッションの最後には「他に何か話したいことや、気になることはありますか?」というような確認の質問をする。
これは、文章そのままの質問であることに加えて、「何もないようなら今日はこれで終わりましょうか…」という意味も込められている。
カウンセリングに限らず、多くの面談やミーティングでの定番となっているクロージングフレーズだろう。
ただ、カウンセリングではその細かい使い方やクライアントの反応のとらえ方が、他の場面とは異なる。
定番のクロージング手法とは言っても、「他にありませんか?」とこちらが終わりどころを迎えようかという質問をしてから「あ! そういえば… ちょっとこれも聞いておこうかなぁ」という感じに話が終わらないという経験は誰にでもあるだろう。
「なんだ。そんな大事なことがあるならもっと早めに言ってくれればいいのに…」と思いながらも、またタイミングと落としどころを探す作業に戻ることになる。
しかし、カウンセリングにおいては、こうして時間の最後になってから、思いがけないテーマや、とても重要な話題が出てきたりすることは良くあるし、好ましいことである。
カウンセリングでメッセージコントロールをして、クライアントがカウンセラーのことを味方だと心底思えるようになるのには時間がかかる。
どうしても、本当に困って悩んでいるポイントを出すタイミングというのは、深い悩みであればあるほど遅めになりがちだ。
むしろ、カウンセリングを終わろうかという時間帯であっても、クライアントが気になっていることを思いついたり、言う気になったりしたということは、そこまでのメッセージコントロールがうまくいっていたということの証明だと言える。
もちろん時間の制約は重要な要素だが、それとは別に、なぜそうしたことが起きるのかとか、物事には良い面と悪い面の両方が必ずあるというような考え方を持つと良い。
2011-04-10 07:00
Posted from DPad on my iPad

コメント