アルコール多量摂取やリストカットに対処するためのアドバイス

R4002273

多量飲酒やリストカットなどの自傷行為・自身に対する攻撃や適当でないストレス解消法は、それ自体生命に関わる。
かと言って、簡単に本人が止めるということもできないし、周囲があの手この手を尽くして引き離すことも難しい。

こうした状況やクライアントのすべてにではないが、多くの場合、急がば回れ的に対応した方が良い。
目の前の大きな問題に、最優先でとりかかるのではなく、致命的なストレス解消法が必要な理由や経緯、総合的・中長期的な疲労などに目を向ける。

リストカットなどが好ましいことではないことは伝えてもいいだろう。
ただし、すでにクライアントがそれについて問題意識を持っているのであれば、ことさらに指摘することは単に責めている、図星を突く、攻撃などになってしまうから、M/D(メリット/デメリット)比は低い。

中長期的な疲労・ストレス(特に環境的なもの)への優先して処置をする、という提案をしているのだが、その間、元々あるアルコール問題などはどうしたらいいだろうか。
これは、覚悟をして見守り、観察するしかない。
もちろん、並行的に医療や物質的な依存症の専門家などを利用できればするのだが、クライアントについての責任や関心までを共有・分散することはできない。

自殺や致命的な転帰につながるかどうかは、冷たく言ってしまうと確率の問題になる。
同じような状態のクライアントのほとんどがそうなってしまうかどうかと言えばノーだ。
それを信じ、介入が却ってクライアントを苦しめ、マイナスが増えることを避ける事が良い支援になる。

こうした状態、時期のクライアントにおいて、大きな決心や環境をガラっと変えることなどは避けること、としている専門家の意見は多い。
しかし、特にこの部分については原則と例外の範囲が当てはまらないことがあるから、入院や転職、引越しなどの変化も最初から否定するべきものではない。
むしろ、慎重に大きな変化を進めることは、それまでにある程度以上の期間「うまく」いっていないクライアントの場合には必然ということがよくある。

2012-06-16 13:00

(追記 2012-06-17)
こうしたアルコール多量摂取などは、それを「原因」と考えるか「結果」と考えるかで、ストーリーがまったく違ってくる。
その時の状態が同じだとしても。

原因と考えて、それが悪循環の中心的要素だとしたらば、そこへの介入は優先度が高く、あるいは必須になる。
一方、結果だと考えれば、他の要素や行動を変容させることによって、下流のアルコール問題などが変化することを期待できる。

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

コメント

タイトルとURLをコピーしました