知識格差社会 – メンタルヘルス教育の難しさ


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メンタルヘルスについて多人数を相手に話すことは以前よりも難しくなっています。
その理由は、皆が勉強して知識をつけた・ついたからです。
話を聞いている人が、よりメンタルヘルスについて知っているのならば、話したり教えたりすることは簡単になるのではないか、とも思うかもしれません。
しかしそうではないのです。

理由の一つには「知識の格差」が挙げられます。
皆が、情報を得たり、勉強したりして、詳しくなったとしても、それが一人ひとりに等しく身についているわけではありません。
メンタルヘルスに興味を持ったり、身近に困っている人を知っていてカウンセリングを学んできた人などが増えています。
そういった人が増えた一方で、まったく興味がない人たちも当然多くいるでしょう。
結果として、勉強や知識の差が絶対量としては大きくなるという状況があります。
同じ話を聞いたとしても、情報収集や勉強をもうすでに1周2周している人にとっては物足りず、まったく知らない人には難しすぎるということが起こりやすくなっています。

もう一つの理由として、その「学習した」人たちを考えてみますと、勉強すればするほど、その知識や範囲が限定された極端なものになりがちだということが言えます。
プロとして学習して実践する者はその知識や技術に普遍性があることと万能性はないことを知っている、あるいは知ろうとしています。
それが、プロがプロフェッショナルである所以であるからです。
ただただ、知識や情報を身につけただけではプロにはなれませんし、情報の紹介や評論以上の「仕事」はできません。
メンタルヘルスに限らず、自己の体験から単独で学習をしても人はなかなか体系的な知識を身につけることは難しいものです。

日本で教育レベルが上がり、知識や情報が広がり平準化したことにより、「一億総評論家」であったり「モンスター・ペアレント」「クレーマー」といった記号が生み出されてきていることとも関連した話かもしれません。

2010-12-23 07:00

(関連エントリ)

世の仕事は差分を利用している | deathhacks

プロの知識、能力、技術を持った素人は存在しない | deathhacks

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初級者を教える方が簡単ということはない | deathhacks

(2010-12-24 13:00 タイトル修正、関連エントリ追加)

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