クライアントに「変わらなくていいよ」と言うことはチャレンジである


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ある程度以上にこんがらかったテーマや、疲労し決定できないでいるクライアントの悩みに対して、「変わりなさい」というメッセージを向けても、簡単には受け入れられません。
「変わりなさい」とは、「こうすればいいのに」「こう考えればいいじゃん」「考えるな」ということであり、現状の否定、今現在のクライアントの否定になります。
「変わりなさい」は、内容や論理がいくら真っ当でも、クライアントからみれば「攻撃」メッセージを含みます。

我々はまず、まったく逆の「変わらなくていいよ」というメッセージを出します。
さらには、クライアントの悩みが「おおごとである」ことを理解していることなどを併せて伝えます。
これは、メッセージコントロールカウンセリングの初期段階です。
この段階から入り、クライアントの味方にならなくては(クライアントがカウンセラーを味方だと実感しなくては)何も始まらないという考え方です。

ただし「変わらなくてもいいよ」メッセージを、どんな時にも、どんなクライアントに対しても、どんな悩みにおいても、カウンセラーが出せるかというとそうではありません。
それはカウンセラーにも人生や個性を背景とした「価値観」というものがあるからです。
性別や宗教、コミュニティ、倫理、教育、食物、趣味、人間関係、歴史、学問などあらゆるものに対して、人間はその人なりの見方をします。
それが価値観です。
人を殺したり、傷つけたり、盗んだりすることは、多くの価値観では悪とされると思いますが、そういったことですら最初の最初からは否定しないことを求められる場合もあります。

「メッセージコントロール(カウンセリング)の、まず最初の『変わらなくていいよ』は自分の価値観に対するチャレンジである」とも言われます。
ある一人のカウンセラーの価値観に合わないようなテーマや考え方は、世の中に無数にあるでしょう。
クライアントがそれを出してきたときに、まずクライアントのそれを変えようとするか、それともカウンセラーの方が変わらないまでも受け入れることから始めるかというのが最初の勝負・試練、言いかえればチャレンジ challenge になることが多くあります。

プロフェッショナルとしてカウンセリングをするのであれば、自分を知り、様々な価値観に対する感じ方や扱い方を知り、対応するという覚悟のようなものが必要になります。

2011-02-11 07:00

(関連リンク)

カウンセリングはカウンセラー自身との対決である | deathhacks

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