先日、まったくの初級者に、カウンセリングとまではいかなくても、職務上ものとはまた違った、悩みや相談を拾い上げるような面談をトレーニングする機会があった。
仕事上、あるいは人生の上での経験は多くあっても、悩んでいる人の話を聞くということになると、皆急に不安が大きくなる。
そういった状態だから、本当に基本的な部分についての素朴な疑問や質問が出てくる。
「カウンセラー(聞き手)はどういう服装をするのが良いでしょうか?」という質問があったが、その時点では「ケースバイケースですね」とか「TPOに合わせて」というような、一番つまらない、間違ってはいないが役にも立ちにくい回答しかできなかった。
その後、思い巡らせ、またまたセレンディピティ的に、再読していた本からそのものズバリのアイデアを見つけた。
本はガー・レイノルズ氏の「裸のプレゼンター」だ。
「服装に配慮する」(※ページ数は後ほど確認して追記する)の項より。
回答としては「クライアントに対応するときの服装は、クライアントよりもややフォーマルなものが良い」だ。
(あなたの立場がカウンセラーでもプレゼンターでも)
そのポイントは3つあった。
プロフェッショナルな印象を与える
服装や見た目はその場への準備であり、そこからクライアントや聴衆への敬意を表すことができる。
大臣が天皇陛下から任命されるのに正装をするようなものだ。
もちろん様々なメッセージコントロールや言葉、人柄、人格、実力などでも同じことを表現することはできる。
しかし、一目で相手の期待に沿うためにはビジュアルの利用が不可欠だ。
聴衆から浮いてしまわないように気をつける
かと言って、常に正装、ないしカッチリと隙のない服装をするのがベストというわけではない。
カジュアルなドレスコードが「正しい」場もある。
工事現場や肉体労働の場、災害や事故の現場などに、相手がフォーマル過ぎる服装で現れたら、どうしても心理的な距離が生じるかもしれない。
少々ドレスダウンすることはいつでも可能
スーツ姿からでも、ジャケットを脱ぐ、ネクタイを外す、腕まくりをする、などのようにくだけた演出をしていくことはできる。
ただし、逆にTシャツやハーフパンツ、サンダル履きなどの状態から、ドレスアップするのは難しい。
まとめ
初級者に対してではなくても、質問にはできるだけ具体的に答えるのが良い。
無難な回答はリスクが少ないように見えるが、プロフェッショナルに期待されるものがそれかどうかはわからない。
「話を誠実に聞こうとする場面では、相手よりもややフォーマルな服装を心がける」というように、狭い範囲の答えを自信を持って出してよい。
2012-04-24 08:00
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