カウンセリングのスーパービジョンをコーディネートする

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以前からあたためているアイデアとして「スーパービジョンコーディネーター(コーディネーター、SVC)」というものがあります。

「コーディネーター」は、担当するカウンセリングについてスーパーバイズを受けたいカウンセラーと、それを受けるエネルギー・時間・リソースがある人をマッチングさせる仕事をします。

臓器移植コーディネーターをイメージしてもいいかもしれません。あるいは結婚相談所や出会い系サイトやテレクラでもいいでしょう。
喩えたものはカウンセリングとはまったく違う内容と分野のものですが、どれも需要と供給はあるけれども、プライバシーや個人情報の匿名性保持の面などからオープンな市場をつくるのに工夫やその業に関する理解などが必要な点で似ています。

ただし、カウンセリングにおけるスーパービジョンの需要と供給は偏っていると思われます。
スーパービジョンを受けたいと思うカウンセラーは多いけれども、スーパービジョンを依頼できる相手もいなければ、十分有効なスーパービジョンをできる人材も少ないのが現状です。
「そんなことはない、私は教育や指導を受けた師(先輩)に、ことあるごとに相談している」というカウンセラーもいるかもしれませんが、それが本当に、必要なときに適切にスーパービジョンを依頼できる関係で、相手に実力があるとしたらとても運が良い方なのでしょう。
多くのカウンセラーは、遠慮や効果・利益に対する疑問から、適切にスーパービジョンを受けられる環境には無いのではないでしょうか。
私はこの「市場」について、需要は多いけれども、供給が非常に少ないと想像しています。

需要と供給がミスマッチしている原因は情報網・システムの欠落だと思います。それを補う役割がスーパービジョンコーディネーターです。
スーパービジョンを受けたくても目指す相手の都合が悪ければ利用できません。
逆に暇はあるけれども、スーパービジョンを希望する人がどこにいるか分からない、というスーパービジョンの能力を持っている人のリソースを有効に活用することができます。

それにスーパービジョンという機能には、特に技術や知識に関する上下関係、ヒエラルキーは問題とはなりません。
基本の考え方として、カウンセラーの思考を整理するための刺激を傍目八目的に得るためのものがスーパービジョンです。
カウンセラーのためのカウンセリング、現在進行形でカウンセラーの受け持つクライアントをテーマとする教育分析とも言えます。

スーパービジョンコーディネーターを企画するための問題点として、クライアントやカウンセラーに関する情報の機密性や秘密性を保持することが可能かというものがあります。
また、サービスの需要者(カウンセラー)と供給者(スーパーバイザー)が互いに相手の状況やある程度の経歴、技術レベルを知らないと、まず信頼関係、コミュニケーションを構築するのに時間と労力がかかりすぎてしまうという点も挙がります。

つまり、一定以上にリソースが多く(スーパーバイザーを多く抱えて管理している)て、カウンセラーの技術や知識も一定程度以上であり、上記のような前提を理解した上でのスーパービジョンを了解できないと、組織的にこのコーディネート事業を実現することは難しいでしょう。

2010-06-20 8a.m.

※このエントリは以前別の場所に書いた記事を書き直したものです。

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