カウンセラー自身の価値観によるブロックを克服する方法

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カウンセリングの最中に現れるカウンセラー自身の価値観は、時にクライアントの先入観や思い込み、しがみつきやイラショナル・ビリーフよりも対応がやっかいだ。
経験や論理、テクニックとして、このリアクションをした方がいい、さっきあの質問をすれば良かった、と分かっているのに躊躇してしまう。
結果として、話の流れ全体のリズムが崩れてしまう。

カウンセリングはカウンセラー自身との対決である | deathhacks

クライアントに「変わらなくていいよ」と言うことはチャレンジである | deathhacks

確かにその人が持つ価値観や人生観を変えるのは難しい。
それが簡単にできるくらいなら、そのやり方を、悩んでいるクライアントに使えってしまえば、よりシンプルに悩みは解決できてしまう。

かと言って、カウンセラーが自分のコンプレックスやカウンセリングの場面で邪魔となる価値観をコントロールするのに、「時間がかかる」とか「ロールプレイを回数こなすしかない」と断ずるのは早い。
カウンセリングの歴史は浅いし、世の中や社会、人類は変化している。
ノウハウの蓄積や技術、ツールの進化や普及も著しいし多種の分野にまたがっている。

今回の「カウンセラー自身の価値観がカウンセリングにおいてマイナスになっている」ことを克服するにはアイデアが2つある。

一つには泥臭く同じ場面を繰り返しトレーニングしてみることだ。
セクシャルな話や異性関係を扱うのが苦手ならば、まずはその触り・イントロだけでもケースやパートナーを変えて何十回もロールプレイしてみる。
お金を巡るトラブルを冷静に聞けないというならば、同じような相談場面に何度も模擬で触れてみる。
自由なテーマやトピック的なクライアントを用意するのでは中々ピンポイントでそれぞれが試してチャレンジしたいロールプレイにはならない。
このときには、腹を括って、ある程度の時間は無駄になるかもしれないと割り切ることが大事だ。

もう一つは、苦手なテーマ毎に相談聞きのツールやパターンを用意してしまうことだ。
借金であれば、いつから、どこから、いくら借りているか、周囲の誰がどこまで知っているか、収入はどの程度あるか、次にどうしようという当てはあるか、などを「必ず」訊くと決めてしまう。
セクハラであれば、以前に書いたエントリが参考になる。

セクシャルハラスメント相談をうまく進めるための3段階 | deathhacks

カウンセリングに「型」「形式」を導入してしまうと取り調べや調査のようになってしまうのではないかという心配はあるだろう。
そこはクライアントにプレッシャーやマイナスの印象を与え過ぎないようなメッセージのコントロールをも常に意識することで対処する。
特定のクライアントやテーマに対してドギマギしてしまったり、妙に遠慮して踏み込んだ話がどうしてもできない、という状態よりは、多少のリスクはあっても、クライアントのメリットが増える可能性を取るということだ。

カウンセリングにおいては常識を味方にしつつも、常識を疑うことが必要だ。
修行が必要だとか、時間がかかるとか、リスク・マイナスが大きいという先人の話を鵜呑みにすることはない。
まずは、時間や労力を適切に支払って自ら試してみるのがベテランでない者の立場だと思う。

2011-12-01

Posted from DPad on my iPad

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