はじめはメッセージコントロールだけで十分


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カウンセリングについて勉強していくと、今目の前にいるクライアントを分類したくなる。
「見立て」をしたくなる。
このクライアントの主なテーマは何だろうか。
惨事か、うつか、リハビリか、それ以外かなどの見極めをしないと手を出しにくい、あるいはうまくいかないように感じる。
実際、「見立て」るのが悪いわけではないし、「見立て」を積極的に勧めることを否定はしない。
ただし、それを最優先の仕事だとは考えないことが必要だ。

しかし、まずメッセージコントロールが大事になる。
それによって、クライアントの味方になれるよう試みる。
どんな情報提供をするにしても、アドバイスをするにしても、環境調整を提案するにしても、医療を勧めるにしても「良い関係」が必要になる。

國分康孝も「カウンセリングとは、言語的および非言語的コミュニケーションを通して行動の変容を試みる人間関係である」(カウンセリングの技法、國分康孝、誠信書房、1979、p.3)と定義している。
私は國分が、カウンセリングのことを技術だとか治療だとかではなく「人間関係」だとしたことに意味を感じる。
カウンセリングの力の根源が人間関係であるからこそ、本を読んだり一人で認知行動療法のコラム法をやるのと、実際に対話することの違いがある。
医療にかかり処方された薬をのむのとも異なる効果が期待できる。

メッセージコントロールを用いた関係づくりから入る。
関係ができ、味方になれれば(クライアントがカウンセラーを信頼すれば)、無力感を緩めることができる(守ってくれる人がいる)、アドバイスを聞き入れる(多少無理な話でも裏に取り過ぎることが少なくなる)、自責感の背景を共有することができる。
逆に言えば、どんな正しく適切なアドバイスや分析、的を射たコメントであっても、メッセージコントロール(的要素)がないならば、弱っているクライアントほど、ダメージを与える結果になりがちだ。

2011-07-10 08:00

カウンセリングの技法
カウンセリングの技法

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