現地邦人にとって暴動は「政治問題」ではなく「災害」である
今起きている中国国内の反日示威運動は確かに背景や発端は確かに政治的問題が絡んでいる。
しかし在中邦人や企業の日本人従業員などがなにより安全を確保するためには、政治問題というなにやら難しい目に見えにくいものとしてとらえるよりも、今そこにある危機であり、「災害」ととらえることが大事だ。
災害だから、地震や大事故と一緒で、中長期的には行政や政府が対処を助けて支援してくれることが期待できるが、初動はどこまでも自己責任と考えなくてはいけない。
緊急時物品を「毎日」皆で確認し合う
こうした状況では、情報を集めるため常にアンテナを敏感に立てておくことは大事なことだ。
これも災害時対処や防災行動と同じである。
自分や家族、仲間の間で心理的ストレスを軽くするためには、普段以上に意識してコミュニケーションを良く取っておくことだ。
コミュニケーションは、「実際に話すこと」「時間や内容というよりはとにかく回数を増やす」という意識を持とう。
落ち着くためには、心がけとか、リラックスや気晴らしをすることも勧められるがやはり体を実際に動かすことがとても有効だ。
災害意識とつなげて、緊急時の物品などをあらためて確認しよう。
水、軽食、医療備品、常備薬、眼鏡、最小限の貴重品、ラジオ、電池などなど。
次にこれらを「毎日」「家族(または会社の仲間同士)」で並べてチェックする。
これは毎日することがポイントだ。
話し合いやコミュニケーションが重要というのは否定しないが、現実的な物品に触れながら、数人で協力しながら準備することにはかなわない。
五感を使って準備することによって真の安心感や自信、落ち着き、そしてリラックスや覚悟を生み出すことができる。
緊急物品の準備を通じて仲間で話し合うならば、不安や不満などネガティブなことばかりになってしまう危険も少なくなる。
正常性バイアスに注意する
限られた情報だけで判断して行動してしまう。
または行動するタイミングを逃してしまうことが怖い。
これは正常性バイアスという心理状態がはたらいていることが多い。
自分の周りの人間は逃げたり、慌てていないから自分も大丈夫だろうと動かずに危険に遭ってしまう。
火災や津波などで逃げられたかもしれないのに適切に行動できなかったという事例は少なくない。
これを避けるためのコツとしては、いくつかあるが
- 自分に近い情報と遠隔の情報、噂レベルの情報と政府公式などの確度の高い情報などを複数、その属性を意識しながら取る
- 危険だと思えば、リスクを小さくする行動を取る。今であれば、お金やエネルギーを使ってしまうのも仕方ないと考える
- 最終判断は自己判断だと覚悟する
などが挙げられる。
2012-09-19 09:00
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