驚きと疑問が下手

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5メッセージである興味津々、驚き、疑問、了解、共感のうち興味津々、了解、共感は、誰でもなんとなく理解しやすいし、それなりに表現することはできるようだ。
しかし、驚きと疑問はそれらに比べると表現すること、あるいはバランスよく出すことが難しい。

カウンセリングロールプレイで一旦は意識して驚きや疑問を表現しようとしてみても、10〜15分間くらいの区切られた時間で現場を設定してやってみるとさっぱり消えてしまう人は多い。
見ているこちらが驚き、疑問を持つくらいだ。
初期のトレーニングでこの部分を習得できるかできないかは、その後の成長の速さの違いとして如実に現れると思っている。

考えてみると、日常の社会会話やコミュニケーションの中で、驚きや疑問を素直にあるいは多少大げさに演技的に表現することは一部の人にとってはとても少ない。
逆に、感情を押し殺して、なるべく主観や気持ちを仕事にしても勉強にしても持ち込まないように訓練され、あるいは社会的に仕向けられている。
そしてカウンセリングという業・仕事を行う現場でも、その意識や緊張・プレッシャーからくるぎこちなさを克服できない。
仕事なのに感情を込める、という経験を持っていたり、実生活で慣れているという人は比率として少ない。
芸術家や俳優、タレントに近い動作だと思って欲しい。

しかし、驚きと疑問は、カウンセラーにはとても大事なコミュニケーションツールである。
この2つのメッセージがクライアントに伝わらなければ、同じように話や事実を聞いているように見えるかもしれないが、その中身や起こっている感情・感覚は歴然として違ってくる。
興味津々、了解、共感だけでは、カウンセリングが深まらないし、味方になることは難しい。

驚きメッセージを出して、クライアントの思考や感情とバランスをを取り、付かず離れずのカウンセラーの感情を分かりやすく伝える。

疑問メッセージをを出して、日常会話や仕事の会話では聞き流したり、全体のバランスから見て、あるいは時間的制約・効率から突き詰めて聞いていないようなレベルのディテールをおろそかにしないでクライアントに伝える。
その上で、詳細を、バランス良くクライアントから「教えてもらう」ことを丹念に繰り返していく。

初期の段階から細かにフィードバックをもらい、振り返りしつつ、バランスを考えつつもとにかく、大きく驚く、素朴な細かな疑問を流さないでキチンキチンと尋ねるということをトレーニングする。
そのトレーニングの合間では、驚きと疑問というメッセージの持つ意義やクライアントそしてカウンセリングという場で何が起きているのかを突き詰めて考えこみ、また自分に返すということを繰り返す。
それが5メッセージの表現力を身につけ理解するための最も早い道です。

2011-02-20 08:00

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