それは質問ではありませんでした

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カウンセリングを学ぶようになってから「質問するふりをして自分の話をしたい」だけということがあるのに気づきました。

「最近、仕事はどう?忙しい?実は私、今度ですねー(以下略)」

カウンセリングではうなずきや表情、要約、さらに上手に質問することによってクライアントにメッセージを出します。
カウンセリングで、質問をしておきながら自分の話や意見をとうとうと述べるだけのカウンセラーは少ないでしょう。

日常の会話では驚くほど「自分が話したい話題になるように質問をしている」ことが多いのに気づくようになりました。

学会や授業・講習などでも、質問をしているのか自分の主張をしているのかわからない(もしかしたら、たぶん、当人も気づいていない)人が多いのを見ると苦笑したくなります。

以前に私は、精神or心理的病が出てくる小説として、同じようにカウンセリングをしている人に宮本輝の「青が散る」を紹介したことがありました。
自分でも意外に熱が入ってしゃべっていることには気づきましたが、相手は結局はそれ程興味をそそられた感じがしませんでした。
それで私はガッカリしたでしょうか。
最初から自分が面白いと感じた小説を他人に押し付けるつもりはありませんでしたし注意していました。
その友人と別れてから「自分は本当に『青が散る』に興味を持ってもらいたかったのか。読んでみてもらってお礼でも言ってほしかったのか」というようなことを考えながら帰りました。
そして「結局自分は、自分自身がもう一度『青が散る』を読み直してみたかったのかなー」と考えて本屋に寄って文庫本の「青が散る」上下2冊を買って帰ったのでした。

2010-06-23 8a.m.

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