メンタルヘルスサポートの実践者を育てるには、試験ありきがいい

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カウンセリングやクライシスケアについて、単なる知識や情報を持っているだけでなく、現場で実践できる人を育てている。
必然的に技術や応用力などの総合的な能力を判定・認定するような仕組みが要る。

教育をしていくうちに様々な問題が浮かび上がってきている。
どうしても少数の者に教育講師の労力が集中しがちなのだが、なるたけ属人性を廃したいのと、後継者をドンドン育てなくてはいけないのとで工夫も要る。
組織として、教育や情報、知識や技術を提供し、試験や認定までも行うというのだから、すべての部分において標準化が必要だ。

標準化を教育部分だけに関して考えれば、テキストやスライド資料を統一して作成・利用しようという話になってくる。
しかし、そこから始めるのがベストかは違うと思っている。

まず、試験を標準化するべきだ。

実践家を育て、レベルを保つためにはどうするのが良いか。
現場で育てるのが一番いい。
というかそれしか方法はない。
医療従事者しかり、法曹しかり、ビジネスパーソンしかり、だ。

すべてをそれでうまくやることはできないし、いきなり完全な素人を現場で使うようなことはできない。
今でも飲食店などの一部では掃除や皿洗いからたたき込む。
礼儀や耳学問から、というわけだろう。

そこで私たちも基本的な教育からスタートする。
しかし、ゴールをあくまでも現場と考えるならば、優先的に標準化し、固めるのは試験だ。

まず、現場で必要な能力のOJTで学ぶしかないこと以外について試験でチェックして認定する。
現場でのトレーニングを開始するためには何を知っていて、何ができて、何をアウトプットできなくてはいけないのか、をみる。
そのためにはどんな試験をすればいいのかを考えるのだ。

順番としては、その次に教育の標準化が来る。
突き詰めて考えた「試験」に合格するためにはどんな教育をすればいいかを考えるのだ。
これはより複雑かつ大規模になってきているプログラミングの test-driven な開発と似ている。

それを考えると、テキストや教育内容の標準化はどうでもいいとさえ言える。
どんな教え方、学び方でも受験に成功しさえすれば丸。
認定のレベルに達しなかったらバツだ。

このためには教育と試験を可能な限り切り離して、互いに干渉しないように、独立性を保つようにしなくてはいけない、などの教育システムとしての研究・検討も必要になってくる。

2011-05-06 07:00

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