もしも知能がなければ、感情もない

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ヒト以外の動物に感情があるか否かというのは難しいテーマだ。
一般に動物が、時間というものを認識していないのならば、おそらく感情もそれに応じて、ないか乏しいはずだ。

人間に、なぜ「感情」があるかを考えてみよう。
感情的な人、(感情のない)論理だけの人というような分類をすることがよくある。
感情と知能というものは分けて考えられがちだが、表裏一体であり、ヒトが進化・成長する上では両者とも欠かせない。

人間を知的にしている最大の特徴・能力は「記憶」と「予測」だ。
時間の認識能力と言ってもいい。
過去の認識が記憶であり、未来の認識が予測である。
人間は記憶することによって世代や距離を超えて知識を集積したり移行したりして積み上げてきた。
また、予測することに長期的な計画をつくって実行したり、危険を避けたりすることが可能になっている。

ただしここに感情が絡む。
ポジティブにとらえると、過去を記憶しているが故に楽しかった思い出というものが存在するし、時間の先で楽しい未来を想像して期待できる能力が人間の知能である。
ネガティブに考えれば、記憶が故に悪い事象から後悔という感情が生じる。悪い未来を予測すれば不安になる。

つまり知能さえなければ、時間というものを認識できなければ、後悔も焦りも不安もなくなる。(もちろん楽しい記憶や期待もなくなるのだが。)
必要がないからだ。
人間の一番の特徴は知能と感情が並行的にはたらいている部分にある。

もちろんこのことは、知能が低かったりなかったりする(ように見える)動物や植物の存在を軽視していいということでも、知能によってのみで人間の優劣を判断するべきだと言っているわけでもない。

2011-06-17 06:00

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