トラウマ体験と「におい」や「音」が強固に結びつく理由

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においや音に関連した連想記憶というものは視覚に関するものよりも、強い印象を残す場合がある。
いわゆるトラウマティックな体験と合わさってトラブルや問題になる。

その体験をしたときのにおいと同じか似たようなにおいを避けるようになったり、においによって記憶や別の感覚・映像が蘇ったりして苦しさを感じることは程度によっては対処が必要となる。
音についても同じようなことが起こる。
10年や20年前に聞いたことのある音楽を久しぶりに聞いたとして、同じ時期の体験がセットで記憶のどこかから掘り出されてきたりする。

人間は視覚がかなり優位な生き物だ。
感覚情報の7割から8割が視覚からだとも言われる。
人間は普段視覚を上手に利用して本や映像などを介し、互いに情報をやり取りしたり、記録を残したりしている。

慣れている視覚についてのコントロールよりも、原始的な感覚である音やにおいについては一般に難しい。
しかし、トラウマティックな体験からある人に対して刻み込まれる「情報」の量は、特に音やにおいについて大幅に増加する傾向がある。
非常事態においては、本能的に視覚以外の感覚をも最大限に動員しようとして一時的に、それらの情報が個人処理能力をに大きな負荷をかけるのかもしれない。
そして、それらの情報処理が終わるまで、数週間・数ヶ月から数年単位で「侵入」が続くと考えられないか。

まだまったく科学的な要素や論理ではないが、ASDやPTSDの理論上の機序に迫っている可能性がある。

2011-09-29 08:00

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