テーマとしてはメンタルヘルスのチームワークに関して。
現場で実践するだけでは足りない。
学習としてもったいない。
そのチーム内、あるいは仲間同士でアウトプットし合えば、実践での学びの大きさや深さは、おそらく倍以上になる。
私が思うに、結果の振り返りを、自分一人だけでするに終わらないことの利点は3つ考えられる。
1 良いところの確認、改善点の洗い出し
まず、当たり前のことのようだが、活動全体および個々細部の検証をキチンとすることが大事だ。
良かったところは褒め(合い)、確認しあう。
悪かった点、失敗や改善した方がよいことがあれば、自分について開示したり、互いに指摘しあったりする。
あらたまって、振り返りをしなければ、個人としてもチームとしても、「なんとなく良かったんじゃないか」「何かわからないけどモヤモヤした気持ちが残った」という曖昧な印象になる。
この振り返りはできるだけ早く、適切な時期にしなければ、印象が事実を覆い隠したり、記憶が誤ったものに塗り替えられたりしてしまうことを恐れなくてはいけない。
2 アウトプットして抽象化することによる自分自身へのフィードバックと記録
できるだけ事実を、時に客観的に、時に正直な感情を思い返して想像して、表現してみると良い。
表現する、あるいは表現しようとするだけでも、思考は進み、抽象化され、一般化されることによって、再利用可能な学習効果が得られる。
この作業は同じ場にいた人間、信頼できる、力量のある仲間と協力しあうことによって、よりうまくできる。
そうは言っても、クライアントの直接的不利益にならないような自分だけが気づいた失敗や、どうやっても言葉にできない感覚的なものなどは、無理に形として出したり残したりしなくても良いとは思う。
厳しい業であっても、原理的な修行でも、マゾヒスティックなプレイでもないのだから。
3 周囲の育成。次を育てなくては続かない
最後に強調したいのは、集団としての学習効果だ。
そしてその反復をシステムやルチーンにまでして欲しいということだ。
業界に入っているからには、過去の知見を受け取り利用するだけでなく、常に貢献する道義があると思う。
第一歩を踏み始めたビギナー・ルーキーでなければ。
否。
新人であってもメンタルヘルスの分野では、その人個人の人生をかけて、何事にも「ひとこと」はコメントできるだろう。
また、現実的に、ドンドンと次世代を育てなくては、自分も組織も、次のステージに進むのは難しい。
育てることは自分自身のためでもあるのだ。
まとめ
極端に言えば、全体の成果が目減りするとしても、記録や振り返りに労力を費やした方が良いと思っている。
メンタルヘルスあるいはクライシスというものを扱う場合には、結果に汲々としなくてもいい、過剰なくらいに慎重に謙虚にするべきだ。
2011-05-24 08:00
コメント