カウンセリングとセクハラは相性がよい

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心理カウンセリングは日本でも関心が高まっている業ですが、その有用性が社会的および公的に認知されればされるほど問題は増えます。
これは単にカウンセラーやカウンセリング組織が増え、ケースの総数が増えるからというばかりではありません。
期待されればされるほど、評価も厳しくなるはずだからです。
公人や芸能人、社会的に高い地位にある人が、一般の人よりも注目され、より厳しい倫理性や法の遵守を期待されるようなもので、避けられないものです。

さて、カウンセリングで起こりうるトラブルの一つにセクシャル・ハラスメント(セクハラ)があります。
一般にセクハラが起こりやすい状況にはいくつか条件があります。現場での密室性や当事者間の不均衡な力関係などです。
カウンセリングは通常一対一で密室性を保ってやるものですから、そこに性的意思が生じた場合、容易にセクハラにつながります。また、それを抑止するような第三者的管理システムが確立された現場は少ないのではないでしょうか。
さらにはカウンセリングの内容・テーマを背景として、カウンセラーがクライアントに(またはその逆もありえますが)ハラスメントをした場合にも、それが発覚する可能性は低くなります。当事者同士でさえもそれがセクハラになっていることに気づかないかもしれません。
ハラスメントとの区別が難しくなりますが、カウンセラーとクライアントの間の感情転移は異性間そして同性間であっても古くからカウンセリング研究のテーマになってきたものです。
もちろん個人的な性質という大きな要素もありますが、セクハラを防止するためにそれにだけ注目するというのは、結局人間の意思への介入を伴うため難しいでしょう。

このようにカウンセリングにはもちろん、人間同士が良くなろうとする、高めあおうとする好意的な目標が元々あるのですが、危険も数々の種類を内在していることを知っておかなくてはなりません。

密室性や力関係について考えるには医療のそれを見ることが参考になると思います。
いくつかの医療過誤、社会の要請によって、医療も以前よりは密室性をなくし、透明性や第三者の目、評価を入れる工夫をしています。
今でも患者やクライアントの目線で見れば医療の中身は不透明かもしれませんが、現代医療では医師個人などが単独で医療行為をする場面はほとんどありません。
例えば外来で男性医師が女性を診察する場合でもいまどき二者だけでするということはあり得ず、必ず女性の看護師などが同席・補助するはずです。
こういった面では先行していると言っていい医療は今後のカウンセリングのあり方やシステムを考える上でとても参考になる点があります。

カウンセラーは初期の段階であればクライアントを選ぶこともできます。例えば異性のクライアントのカウンセリングをする場合に、セクハラや感情転移が生じる可能性の認識がないのならば最初から避けた方が賢明ですし、それはそれで業に対して誠実である表明となるでしょう。

2010-04-17 7a.m.

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