マンガ、映画、小説で知るうつとPTSD その1


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うつやPTSDという言葉は一般的になったが、そのサポートを仕事にしている立場で、あらためて説明しようとすると理屈っぽくなってしまいがちだ。
そんなとき事例や比ゆを活用するのが一つの手だ。
だが、事例は経験するのに時間がかかるし、守秘や匿名化にどうしても気を使う。
比ゆは相手に合うかどうかのブレが大きめだ。

他の説明用素材として、マンガや映画、小説などがあるので、このブログで少しずつ紹介し自分としても蓄積していきたい。

まずはマンガ「宇宙兄弟」より。

宇宙兄弟(1) (モーニングKC)
小山 宙哉
講談社

登場する宇宙飛行士の一人(主人公格)が月面でのトラブルの後、一命はとりとめ助かるがその後、以前までなんともなかった宇宙での活動に怖さを感じるようになってしまう。
正確には、気持ちや頭の中としては「大丈夫だ」「いつもと同じでまたやれる」とわかっていても、心拍数が上がったり、身体が動かなくなったりというような「反応」が勝手に出てコントロールできないという問題を抱えてしまう。
宇宙飛行士として生きていくためには致命的だ。

その人物がその後どのように過ごしていくかについては物語を見て欲しい。

さて、ここで出てきているトラブルは正に「PTSD」(もしくはASDからの連続?)だ。
興味深いのは、事故後の周りの対応として2種類提示されていることだ。

NASAの対応としては、事故に遭った彼を保護し、身体の異常を確かめ、様々なケアをしつつまずは後方である地球圏に戻すことを最優先した。
結果として、彼はその後に活動を再開しようとした時に初めて自分の精神的状態の不具合に気づくことになる。

一方、物語中で語られるロシア式の対応であれば、身体・精神双方の危険は加味しつつ、事故の直後に最小限の仕事を多少頑張らせてでもやらせて、悪いイメージを消しておくらしい。

これはPTSD予防の原則である、「早期」「近接」「期待」に忠実であって、適切かつ研究の中では常識と思われる。
マンガの中の話だから、実際のNASAやロシア(の宇宙局?)でどのように考え、対処しているかは別として、我々が現実として衝撃的な出来事に出逢ってしまった人に対して、最大限安全を確保する方向を取るのは人情としても疑問の余地はないが、中長期的な予測を立てるのならば方針も変わってくるだろう。

2012-09-10 09:00

(関連URL)

宇宙兄弟 – Wikipedia

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