クライアントにだまされるな

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言い方は悪いのですが、クライアントはカウンセラーをだまします。
カウンセラーはクライアントにだまされます。
それはもう必ずと言っていいと思います。
そしてやっかいなことには、クライアントは「だまそうとしているのではなく」、カウンセラーは「だまされている」ことに気づかないことがとても多いのです。

相談に来たからといって、よろしくお願いしますと頭を下げたからといって、カウンセラーを信用しているわけではありません。
話があっちにいったりこっちにきたりしながら、長々としゃべって、そろそろ終わりましょうか、時間ですから、という時分になってから「実は、、言い忘れてましたが、」と本当の悩みが出てきたりします。

クライアントが自分の家庭の嫁姑の仲違いのことを「いやーまったく、ちょっと困っちゃって、、でも女性同士のことは難しいのかなー。。」と苦笑しながらボヤいたりしたとしても。
お、そんなに深刻でもなさそうなのかな?と「いやー、皆さん大変みたいですよー」と軽く判断するのは危険です。
クライアントは自分が引っかかっているテーマが実際には何なのか、どれくらい難しいのか、他人やカウンセラーに話して良いことなのか、自分が間違っていたり能力不足なのが原因ではないか、などの不安を抱えているのかもしれません。
そんなときには、軽く、ジャブのようにそのことを口にしたりしてみます。

ちょっと複雑な内容や関係が出てくるみたいだからメモを取らせてもらおうかな?と思って、クライアントに尋ね「ええ、どうぞ」と言われても。
内心では「メモを取られるとちょっと嫌だな。。」とか「断ったら悪いかな」というように葛藤ややや複雑なものがあるかもしれません。
アドバイスにしても、カウンセリングの時間ややり方にしても、問題が解決したあるいは解決しそうだということでしょうか。
自分の意志を出しているかなどはなかなかわかりません。

カウンセリングが終了・終結して「ありがとうございました」というクライアントの言葉は何を意味しているのでしょうか。
問題が解決したあるいは解決しそうだということでしょうか。
アドバイスしてもらった内容がとても的を得ていたということでしょうか。
それとも、カウンセリング自体は大してうまくいった気がしないけれども、自分のために時間を使ってくれたこと対する感謝でしょうか。

カウンセリングの初級者へ。
謙虚に、だまされないという視点が必要だと思っています。

2010-12-14 06:00

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