カウンセリングはカウンセラー自身との対決である

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カウンセリングはややもすると、クライアントの悩みや思考、非合理的な信念をいかにしてカウンセラーが打ち負かすか、切り崩すかという戦いの様相を示します。
それが行き過ぎれば、カウンセラーとクライアントの対決のようになってしまうこともあります。

長期化したクライアント、困難に思えるクライアントを抱えたときに、心理カウンセラーは「本当に相対しなくてはいけないのはカウンセラー自身である」ことに気づきます。

カウンセラーとして中級、中堅以上の技術や知識、経験を身につけたのならば、多くの種類の悩みやクライアントに対応することはできるようになります。
しかしそこで「理論や理屈としては分かっている適切な対応ができない」という問題が起きます。

  • 自分はカウンセラーとして十分努力して上手くやっているはずなのにクライアントは変わらない、満足しない
  • クライアント自身は少しも努力をしないように思える
  • カウンセリングがクライアントを甘やかしているだけかもしれないと思える。逆効果のことを手助けしている恐れを感じる
  • 生理的にそのクライアントが嫌になってきている

そんなとき、結局カウンセリングが上手くいくようにカウンセラーができることは、クライアントへの働きかけ(力動)というよりは、地道にやるべき対応を続ける、自身が落ち着くためにスーパービジョンを受ける、カウンセリング自体についてクライアントがどういう印象を持っているかを確認する、などしかないのでしょう。

カウンセラーは実は、やるべきこと、言うべき言葉、出すべきメッセージが分かっているのに、それを思考や感情に邪魔されていることが多いのです。
やるべきこと(現実原則)が分かっているのにそれが実行できないのは、もしかしたら目の前のクライアントではなくてカウンセラーであるあなた自身なのかもしれない、ということを常に心に留めます。

2010-07-10 8a.m.

(関連リンク)

クライアントに「変わらなくていいよ」と言うことはチャレンジである | deathhacks

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