キアヌ・リーブスは質問に答えない

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カウンセラーは、話したりあいづちをうったりすることによって発するメッセージだけではなく、話さないことや反応しないことによって発するメッセージにも気を使わなくてはいけません。
メッセージとは、カウンセリング的にはクライアントの行動変容をもたらす「言語的および非言語的コミュニケーション」と言われるものです。
注意しなくてはいけないのは「反応がある」ことだけではなく「反応がない」ことにもメッセージが入ることがあるということです。
その極端な表現は「無視する」ことです。無視という無反応は強いマイナスの印象を与えることは分かると思います。
特に悩みやトラブルを抱えたクライアントはカウンセラーの言動にとても敏感になっていると考えた方がいいでしょう。

俳優のキアヌ・リーブスはインタビューで「あなたはゲイなのか」という質問を受けることが多かったそうです。彼はゲイではない(らしい)のですが、その中性的なビジュアルなどから度々マスコミや大衆から「彼はゲイではないか」と疑われていたのです。
その質問への彼の答え方は興味深いものです。
彼は「その質問に対しては肯定も否定もしないよ」と言ったのでした。
彼が言うには「僕がその質問に怒って強く否定したとしたら、僕がゲイの人たちに対して否定的な気持ちを持っていることになってしまうからね」ということなのでした。
これなどは最終的に、質問に肯定も否定もしないことが一番いいメッセージになるのだと考えたのでしょう。コミュニケーションに含まれるメッセージというものの深さが感じられるエピソードです。

ある事象に対してイエスと言ってもノーと言っても、はたまた何も反応しなくても、そこにメッセージを読みとることができるのが人間の知能や知性、感情です。
世の中には「ノーコメント」というコメントがあるくらいですから、カウンセラーはクライアント以上に多様かつ繊細で敏感な感覚を持たなくてはいけません。

2010-04-12 10a.m.

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