クライアントを驚かせたらまず謝る

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カウンセリングをしていて「あっ、失敗したなー」と思ったらどうしますか。
謝ればいいのです。

うつの可能性がある、うつに近い状態にあるクライアントに対応するとき、どこかの時点でその見立て(医療としての診断との境界が難しいのですが)を伝えなくてはいけません。
それに対するクライアントの反応は様々ですし、確実に予測できるものでもありません。
(つまり、予測することに過大なコストを払う必要性、必然性は低い)

一つのパターンとしては「、、なるほど。もしかして、いわゆる最近よく耳にする『うつ』というやつかもとは自分でも薄々、、」と納得する、もしくは現状を知るための客観的情報の一つとしてカウンセラーの話を受け容れるものです。
これならばあなたがカウンセラーだとしてそれほど慌てることはないでしょう。

もう一つのパターンを考えます。
「えっ!それって、、もしかして、私は病気なんですか?!(うつなんて自分がなるはずがない。自分はそんなに弱い、ダメな人間ではないはずだ)」という反応をする場合です。
こんなとき、十分なスキルを持たないカウンセラー(の卵)は「いやいやっ、そういうつもりで言ったのではないんですよっ。そういう可能性もありそうだと感じたものですからー。たとえば、寝れてないですよね。食べる気があまりしないとおっしゃてましたよね。職場で同僚を避けたい感じがするとも言ってましたし。えーと、あとは何でしたっけ、、(これって全部明らかにうつの『症状』ととらえて間違いはないはずなんだけど。。どう『説明』『説得』しようかなー?)」という返し、思考をしてしまいます。
焦ってしまうわけです。
しかし、自分の見立てが変なわけでもないのに、という心理もあってクライアントの反応との板ばさみのような状態になる場合があるのです。

そんなときはまず、「謝って」しまいましょう。
「謝る」とは言ってもあなたがクライアントにうつを見立てたこと、そのものを撤回するのではないことに注意してください。
(もちろん知識や事実細部の理解がまったくの見当違いではないとして)
あくまでクライアントが、「予測していなかった」「(事実だとしても)聞きたくなかった」「うつや病気ではないというお墨付きのようなものを言ってもらいたかった」ということをわかった上で、「びっくりさせてごめんなさいね」「悪いイメージを持っている状態かもしれないことを突然に突きつけてすみません」という対応をしていきます。

「自分の勘違いではないと思うんだけど、、」というのはすでにクライアントのための思考ではなく、カウンセラー自身が苦しさから逃げたいという思考になっていることに気づきましょう。

さてたった2つだけパターンを出しましたが、これ以外にもいくつものパターンやその程度の違いがありえます。
そのうち最も単純なかたちで紹介したわけです。

実はクライアントが反応しない、反応できない、思うところはあるけれども表現しない(表現できない)という場面も多くあることを付け加えておきます。
これはそのクライアントとカウンセラーの関係性によります。
十分に率直な対話ができる関係、状態でなければ、ビックリしたり、嫌なことを突きつけられたクライアントはただ「黙る」だけかもしれません。
なけなしのエネルギーを使って、実は納得できないのにカウンセラーの説明を「はー、そういうことも言えるのですね」と微笑んで聞いている振りをして、その陰では怒っていたり、大混乱しているかもしれません。

そこまで考えると「自分がうつのはずはない!」とか「私を病人扱いしないでくれ!」という反応は、無反応や内心を表さないクライアントよりも却ってそこから味方になったり関係性をつくっていく材料があると取ることもできます。

2010-07-05 8a.m.

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