心理学に偏見を持っていました

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心理学というものに興味を持っていたことが過去にありました。
中学や高校の頃です。
なんとなくかっこいいなー、というミーハー的興味だったと思います。

またそのころ、江戸川乱歩やアガサ・クリスティなどを好んで読んでいました。
思い返してみて、彼らの推理小説のすばらしいところは、犯罪のトリックに関する部分だけではないと感じます。
登場人物の行動や犯行の動機という人間心理の描写がドラマティックでリアルなのです。
それも、登場人物の思考や気持ちを、そのまま書いてしまったらすぐに犯人やネタがばれてしまいますから、行動や発言という外部への表出を描写することによって、読者に現実味、緊張感などのメッセージを伝えています。
心理描写を直接に、単刀直入に書くことができないという作品としての制約が、かえって真実味を高める効果があるのではないかと思います。
考えてみたら、現実の世界でも他人の「行動」や「発言」は五感によって認知できますが、心理や内面世界は想像するしかないのが普通です。

推理小説や探偵小説が好きだったことと、心理学(というものが持つイメージ)に興味があったことは無関係ではないでしょう。
しかし私には心理学という言葉に対して、興味や憧れだけではなく、恐れや嫌悪もあったのかもしれないと最近気付きました。
それは「心理学とは駆け引きに使われる道具で自分に有利な情報を得たり、相手をだましたりするためのものだ」というようなイメージです。

私は、人間というものを知るには医学という科学 science を通して学ぶことが一番の近道だという物質主義的価値観が強かったのですが、数年前からは心理学や精神世界的なものへ興味・関心が移ってきています。
自分でも認識していなかった心理学への偏見のようなものに気づいたのでした。
知らないこと、知の段階がちょうどそんな時期だったのでしょう。

2010-07-04 7a.m.

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