「そのまま」表現しないと売れないJ-POP

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最近のJ-POPなどの歌詞に、「愛してる」とか「会いたい」とか「感謝しています」いうような直接的な表現が多くなったのは国語力が落ちているとか、ゆとり教育の負の成果とか言われる。

このことの善悪はさておき、娯楽や商業としての音楽に前述のような傾向がみられる背景には社会とその文化が多様になったからだと思う。
コミュニケーションのためのツールとしてみると、今の世の中には日本語だけでなく多くの言語やカタカナ、新語、記号があふれている。
その増加や変化の速度が速まったため、世代が一つ異なると途端に言葉の齟齬が生じる。
言葉が通じないことは、話が通じないというだけでなく価値感の共有も難しくしている。
(最も、価値感の違いには、社会や経済状況も影響しているが)

そこで本質的な知能や知識の変化あるいは教育の結果のためばかりでなく、必要に応じた変化として、例えば流行歌の歌詞のシンプルかつ単刀直入化が起きているのだろう。
商業的に言って、需要に応じて供給される商品が対応しているだけということだ。

長期的に見て、この変化の流れは止められないし、おそらく変わらない。
ただ少なくとも、新しい世代は単に与えられていないから言葉を知らないとかいう訳ではなく、必要がないという取捨選択をした上で、そのツールを使い最大限のコミュニケーションをしている。
それを旧い世代が理解できなかったり、断絶を感じて悲しんだりしてもし方のない理なのだと思う。

2011-03-26 10:00

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