初級者を教える方が簡単ということはない

R0011723

メンタルヘルスの教育、いやそれに限らず他人に教えるときに、初級の内容を教えるのは簡単で、上級のことや応用などを教える方が難しいのではないかと一見思うかもしれません。
しかし、ホントの初級者を教えることこそ上級の難しさの仕事なのです。

初級者(素人といっても良いかもしれません)はまず、自分が「何がわからないのか、がわからない」という状態です。
あるいは「なぜ学習しようとしているかわからない」、さらには「ひやかし半分で」「ヒマだったので来てみました」ということすらあり得ます(確率が高いのではないかということ)。
学ぶ内容がイメージできていない人、学ぶ動機がないか乏しい人に教えるときにこそ、教える側の能力は試されるのではないでしょうか。

これが中級者になってくれば、問題点や改善点なども自分自身で気づけることが増えてきますし、被教育者同士で教え合ったりアドバイスをしたりできる部分も出てくるでしょう。
質問なども内容的にも時間コスト的にも徐々には効率的になってきます。
さらに上級者になってくれば、教える場面、現場、日常などあらゆる状況や時、場所から学ぶ点や気づく点などを得ることができるでしょう。

ただし、中・上級者になってくると、当たり前のように感じていた事柄に感する素朴な疑問(そして往々にしてそれが結構本質的なものであったりもする)を見過ごしてしまったり、何かミスや改善すべき点が自分にあったとしても周りの人間から指摘してもらう機会が減りがちだということに注意すべきです。

表面的なこと、本を読んだり、インターネットで調べたり、暗記をしたり、試験を受けて評価をしていきさえすれば、勉強になる、学習していけるはずだと勘違いしがちですがそうではありません。
内容が一見して高度で複雑である(になっていっている)からといって、大学生に教えるよりも小学生に教える方が、簡単な仕事であるということもありません。
むしろ、初級者や素人に教えるときにこそ真価が問われるはずです。

2010-11-02 07:00

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

コメント

タイトルとURLをコピーしました