読書感想「スタンフォードの自分を変える教室」ケリー・マクゴニガル

スタンフォードの自分を変える教室
ケリー・マクゴニガル
大和書房
売り上げランキング: 6

同僚が読んでた本を読んでみた。

  • これだけ色々と Study を紹介しているが、レファレンスがない。原著にはたぶんあるか?
  • 内容や情報にはピンとくる。これまで感じてきていることを別表現にしている風
  • 精神力は無限ではなく有限で、意志力は消費され疲労する
  • 感情や心理、悩みの理解のためには『時間』の認識と理解が必要
  • 人類は、社会の変化に身体の進化が追いついていないが、それと同様に精神や感情も戸惑っている
  • 自分を観察する、というのはとても良いツールになる
  • 本全体のメッセージとしては「あなたが『できない』のはあなたのせいではない」というものかと

読んでキチンとメッセージと多少の内容を受け取ることができれば、だれでも必ず行動や習慣を、自分が望ましいと思う方向へ変えられるか、そのきっかけをつかむことができる。
少なくとも私は、この本を昨日読んで、仕事帰りにはいつも困難を感じてしまうジム通いに、サラッと向かうことができた。

帰ってビールはいつも通りに飲んでしまったが。
それについての説明も本書にはある。

2013-01-08 08:00

R4003247

他人の本を借りて15分で読む方法

20121219214747

速読というわけではないのだが、1冊の本を速くに読み倒すことがある。
ビジネス書の単行本で、15分とか、せいぜい30分とかで。

仕事場で同僚と話していて、ふと相手が机に置いていた本、読みかけの本なんかで興味がわいたならば、ちょっと手にとって少しの間貸してもらう。
そして、集中して読む。
すると、締切効果もあって、内容の把握とポイントやエッセンスの取得には成功する。
そんなに長く借りてしまうわけにはいかないことも多いし。

「面白そうだね」とか言っておいて、何ページかパラパラと見てみても、すぐ返してしまい、結局後からでも読んだりしないのは何か失礼な気さえしてしまう。
社交辞令として「興味を示し」ただけに見えてしまう。
そんなときには、ごくショートタイムで借りて読んでしまう。

速読みのもう一つの使い所は積ん読の処置、処理、対策だ。
「いつか」読もうと思って所持している本を読むための「いつか」は永遠に来ない。
自分が生きている「今」を基準に考えれば、「今読むか」「今読まないか」の二択しかない。

(今)読めば、その内容が経験や体験、知識になる(可能性が生まれる)。
読まなければ、絶対的にゼロだ。

どんなにいいかげんに読んだとしても30分程度かけて全ページに目を通したのならば、そこで得られたものは何らかの体験や知見、人生を変える要素になりうる。
何か少しでもフックするものが残っていれば、再読してさらに得るものを深めることにつながる可能性だって、読まないことによるゼロよりは確率が上がる。

2012-12-21 07:00

人類3つの革命

20121215113528

人類にはこれまで3つの革命が起きている。
農業革命、産業革命、そして今起きている情報革命だ。

農業革命は食料の供給量を安定的に増やした。
これによって、知的作業・芸術・余暇などへの時間とエネルギーの分割・分業が可能になった。
ときには世代を越えるような、長期的な予想や計画も可能になった。
貧富の格差も増え、不安な未来も生まれたが。

産業革命によって、大陸間や地球全体での富や物資、文化や文明の移動と交流が可能になった。
ただし、兵器や大規模戦闘、環境破壊などの元にもなった。

今起きている情報革命は、農業革命によって生まれた余剰資源とそれをレバレッジする産業革命の両者に依っている。
プラスとして生み出すものは多いが、親に当たる農業革命や産業革命と同じように、マイナス面を必然的に含んでいるのだろう。

2012-12-17 08:00

(関連書籍)

ゼロからわかる 経済学の思考法 (講談社現代新書)
小島 寛之
講談社
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パッケージカウンセリングの是非

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数回分の心理カウンセリングをまとめて料金設定したり、月会費制あるいは定額制のような形でカウンセリングサービスを提供すると「パッケージカウンセリング」というようなものになるのかもしれない。
「かもしれない」というのは別に定義がはっきりとされているものでもないから。

以下の本は以前に読んで、マーケティングとしては面白い面もあるし、自由市場としてサービス提供の種類が増えるのは良いかな、くらいの印象を持っていた。

「カウンセラー」になって月収100万円稼ぐ法 (DO BOOKS)
北林 絵美里
同文館出版
売り上げランキング: 8917

だが、同書のAmazonレビューの中では、各種カウンセラー資格認定団体らが定めている倫理綱領に照らすと適さないのではという指摘がされている。

確かに定額制や数回分先払いのような契約をカウンセリングサービスに持ち込んだとなると、中途で、または単回のセッションについてクライアントが取り止めやキャンセルをすることに心理的抵抗が増えるかもしれない。
しかし、逆にいったん契約関係を結べば、回数や継続の可否についての判断をいちいち強いられなくてもよくなるというのはメリットとしてもとらえられる。

上にも書いたようにサービスの内容や形式は多様であっていいと思うし、システムについてリスクやネガティブな側面「だけ」を見てもしかたない。

2012-12-07 06:00

「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか」から惨事対応エッセンスを読み取る その1

20120912130341

「トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか」を読み続けてそのまま読了。

トムラウシ山遭難に見る医学・社会・心理 | deathhacks

トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか (ヤマケイ文庫)
羽根田治 飯田肇 金田正樹 山本正嘉
山と渓谷社
売り上げランキング: 2530

この本自体はリスクマネジメントやツアー参加者18名中8名が亡くなる原因となった低体温症の医学的側面について主に書かれている。
しかし、これだけ大きな惨事であるから、インタビューや現場での心理的描写の中などに惨事後反応として一般には得がたい情報も見られる。
そのあたりを特にメンタルヘルス的視点からコメントしまとめておきたい。

本書の内容順番には逆らうが、まずはあとがきから。

(p.355)
 言うまでもないことだが、この事故の事実はひとつではなく、事故に直面した十八人それぞれに事実がある。残念ながら八つの事実についてはもう知ることは叶わないが、事故の報道を見ていちばん危惧したのは、残る十のうちひとつかふたつの事実によって事故の全体像が語られてしまうことだった。

トムラウシ山遭難事故はまったくの自然環境で起きたものであるため、また半数近くが死亡したためもあり、科学的な事後検証の精度に自ずと限界があった。
生還した者も行程の途中から低体温症の症状により、事実の有無や会話についての記憶の欠落や相対的錯誤などが出ており、特に時間的感覚が相当に乱れていた様子がうかがえる。
そうした状況が先ほどのあとがきにおける記述につながっているのだろう。

同じようなことへの認識と実践上の注意を、惨事後反応や心理的サポートを扱うときには払わなくてはいけない。
特に複数の当事者に対して同時に介入し、専門家としてファシリテートしていくことが求められるグループミーティングでは重要なことだ。

真実はひとつかもしれないが、事実は人数分ある。
なんだかドラマチックな物言いかもしれないし、この事故や犯罪など、一定レベル以上の判定を下さなくては決着がつかない社会的な事情が絡むことは少なくないから個人や組織は葛藤するかもしれない。
ただ、もしも心理的サポートに軸を置き、当事者のできるだけ多くが傷つかないような手当てをするというやや理想論的なものを目指すのならば、基礎的な認識とバランス感覚を持ち続けることが要になる。

2012-09-13 07:00

(参考URL)

トムラウシ山遭難事故 – Wikipedia

トムラウシ山遭難に見る医学・社会・心理

R4003078

トムラウシ山遭難の分析本を読み始めた。

トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか (ヤマケイ文庫)
羽根田治 飯田肇 金田正樹 山本正嘉
山と渓谷社
売り上げランキング: 2027

まだ、第1章の当日経過をザッと読んだだけだが、いくつか考えたことなどをメモ。

遭難の原因となった要素として私が注目するのは3つ。

  1. 低体温症、その予防のための濡れへの対策不足
  2. ガイド同士、さらにそこから参加者へのコミュニケーションの不足
  3. 慢性に進行・悪化した自然環境と体調

低体温症については、ガイドも参加者も知らないことはないはずの中級から上級者というパーティだった。
だが、それを上回る状況が発生したということ。
これを想定外と考えるか、管理上の不備ととらえるかは後からなら何とでも言えてしまうのだが、適切に教訓化しなくてはいけない。

コミュニケーションについては、ピンチやトラブルが起きて初めてその重要性や不足に気づくものだ。
準備や知識がなくては、いくらコミュニケーションが整っていても、状況を良くする根本的な力にはなりにくい。
しかし、こうした事故などの陰の多くには、悪循環を断ち切れない連鎖をコミュニケーション不足がもたらしている。

自然環境や体調については、運が絡む。
急激な変化であれば、対応の決心はしやすいのではないか。
じわじわと悪化したからこそ、判断が遅れるという事例は多い。
外部の目やシステムとしての判断があるか否かが分かれ目となる。
これはあらゆる事故や失敗に通じる考え方だろう。

この遭難事故に、どのような細部があったか、学ぶべきは何か、亡くなった者と生還した者にどのような心理的反応があったかどうかなどは、読み進めば知ることができるかもしれない。

2012-09-12 09:00

惨事対処に関わるための知見準備

20120828123806

結局答えは現場にあるし、現場からしか学べないのだけども、今の自分には、自分の知識や技術のうち、どの部分が直に教わったもので、どれを現場で悟り、何を本などで学習したのか定かではない。

これから、惨事ポストベンションや、トラウマケアなどを現場でやっていこうという人に、自分が一から責任を持って教えることはできるが、どこから始めていいかやはり確とは言えない不十分さと、前提やベース、共通認識として持っておける何かを少しは欲しいと思ってしまう。

そこで以下に紹介する一般書は一読を奨めておこう。

緊急事態ストレス・PTSD対応マニュアル―危機介入技法としてのディブリーフィング
ジェフリー・T. ミッチェル ジョージ・S. エヴァリー
金剛出版
売り上げランキング: 530183

→ 惨事ケアの草分け的なミッチェル氏自身がディブリーフィングというツールの有効性を今現在は主張しないようだという言葉を聞くことはある。しかし、現場に近い感覚や意見から考えれば、あらためて検証・検討する意義がある。そうした対応についてはさておき、緊急事態ストレスというものの概観を知るために、共通のスタート地点として多くの事例や知見が含まれている

惨事ストレスへのケア
惨事ストレスへのケア

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松井 豊
ブレーン出版
売り上げランキング: 783880

→ 著者が現場と研究の両者を知っている。そうした学者は、どんな分野でもいてほしいものだが実際にはまれ

消防士を救え!―災害救援者のための惨事ストレス対策講座
加藤 寛
東京法令出版
売り上げランキング: 360283

→ こちらも複数の惨事現場にケアと研究の両面で入った経験をもとに記されたもの

まとめ

紹介した本の内容は、主張として必ずしも一致していないものもある。特にディブリーフィングについては。
しかし、それこそ「現場」や、臨床心理というものの難しさ、というか正体の一面だろう。
個別一般のカウンセリングでの対応に、正解というものを見出しにくいのと同じで。

あとは、読んだものを比較しながら、さらに細かな情報や文献・論文などを探していくと良い。
その際、今の時期(さらに今後)であれば、東日本大震災や福島原発事故に関連した報告類が目立つかもしれない。
それらは興味深いし参考になるが、十分な集積や検証を経ているかに注意する。
その点からは過去の情報に立ち返る方が有効と思う。

2012-08-29 07:00

(関連エントリ)

デブリーフィングとフグ | deathhacks

自殺・事故後ポストベンション活動の紹介 その1 | deathhacks

次の変化・混乱・実践の時代でサバイバルするための準備運動

R0014318

神田昌典氏の「2022―これから10年、活躍できる人の条件」を読んだ。

2022―これから10年、活躍できる人の条件 (PHPビジネス新書)
神田 昌典
PHP研究所
売り上げランキング: 108

この本に書いてあるようなことに、そのまま賛成するにも、反論するにも、自分には現状難しいし時間がかかる。
だが、大局的に物事、時代や世界の流れを見つめ直してみるという行為は興味深い。

例えば、私の浅い知識と理解でみてもやはり、「時代」というものは似たような内容を大きな波として繰り返しているように思える。
その視点は二極論だが、「安定・情報統制」と「変化・既存のものが役に立たない実力と実践の世界」の二者だ。
静でなければ動、動でなければ静、という0か1かの考え方だから当たり前なのだが、この2つの性質を主にした時代が繰り返されている。

  • 原始時代、古代 → 生きるか死ぬか、生死が隣り合わせ、弱肉強食
  • 王家、公家の時代 → 根拠のない(それ自体は悪ではない)伝統的支配、階級の固定、集団・種としては繁栄
  • 戦国、戦乱、戦争の時代 → チャンスとリスク両者が豊富な世界、実力や実践が重視される
  • 工業・商業・政治の時代 → 生活・地位・国家間関係などが安定、全体として見れば豊かであるが変化やチャンスに乏しい、保守的・守備的

次には、どんな時代 or 世界が来るだろうか。

  • 2012年 〜 2022年 〜 → ?

それは、来るか来ないか、という話ではなく、いつ来るか、そのときに自分はどう行動しどう生きるかという思考を強制的に迫られる環境だ。
次の大災害についてと同じように。

2012-05-22 07:00

Posted from DPad on my iPad

I CAN’T DEFINE MYSELF, TOO

R4001669

私がカウンセリングや心理、惨事反応などを学んだり、トレーニングしたりするのは、自分のため、自分をよりもっと知るためだ。

誰のためにメンタルヘルスの勉強をするのか | deathhacks

ただし、そう公言していても、やはりどこかに罪障感を持っている。
「困っている人を支援したい」とか「自分が助けられた経験があるので今度は別の方を助けたい」とか言っている人たちを目の前にするとなおさらだ。

しかし、持っている既読本をPDF化する作業の中で、國分康孝さんの本をパラパラとめくり返していたら、こうした自分のもやもやを解消できるかもしれないヒントをもらった。
(実は國分氏の本からは何回もこういった発見をしている。一度めに読んで感じなかったことを再読して感激したり。疑問に思っていたことを既に解決していて参考になったりなど)

國分氏が留学したときに、教授からその目的を聞かれた氏が、「 I can’t define myself 」と答えたそうだ。
「自分を定義できない(自分が何者かわからない)」とかいう感じだろうか。
その時点で、國分氏は、自分がカウンセラーなのか臨床家なのか、研究者なのか教育者なのかなど、立ち位置に迷いのようなものがあったらしい。
留学の中で、その一点だけでもクリアになれば幸いだろうと考えていた。
この目標、目的はシンプルだが、重要で、壮大なものだったと思える。

自分なんかがこのエピソードになぞらえるのは不遜かもしれないが、今の自分にもこの「自分がわからない。だから知りたい」という感覚がずっとあり、だからこそ今の生活や活動がある。

2012-04-02 08:00

Posted from DPad on my iPad

管理職がストレスに強いか弱いか、有利か不利か

R4000764

組織や社会での業務上、あるいは役割の違いによって、人が感じるストレスや負担は異なる。
引いてはからだやこころに表れる反応も違ってくる。

ただし、「管理職」などの役割とは言ってもその環境や実際は現場によって様々だ。

立場によるストレスの違いに関しての研究や考察を2つ紹介しておく。

■引用その1

重い症状が遷延化したと考えられる「6.遷延群」には火災現場で中間管理的な責任を負う「消防隊長」が多く、人員交代がない現場で長時間労働し、身体への危険を感じるような劣悪な作業環境であったことに、管理職としての責任を感じている可能性が示唆された。

 - 消防職員における遅発性の惨事ストレスの分析,松井、畑中、丸山,対人社会心理学研究 (11),2011-03,p47(大阪大学学術成果リポジトリ

■引用その2

その意味で、一般的には兵士より指揮官のほうがストレスに強い。常に「次に兵士になにを指示するか」を考えているせいだ。

 - 平常心を鍛える、下園壮太、講談社+α新書、2011、p47

2011-12-03 11:00