「カワイイ」という感情の価値は至高の地位を築いています。特に女性においては、「キレイ」とか「カッコいい」よりも圧倒的に、「カワイイ」が好まれるでしょう。
カワイイという感情はとても素晴らしいものです。カワイイという感覚には心地良い、幸せであるというような感覚である「快」が含まれているからです。しかも競争などの勝利や物質・金銭・エネルギーの消費によって得られる快とは違って、敗者の存在や何らかの消失は明らかにはありません。これは、そう感じた主体と感じる元になった客体の双方にメリットがあるというカワイイの特徴でしょう。
何かをカワイイと感じた人間は快を感じた上で、その対象のことを心配したり、守ってあげたくなったりします。一方、カワイイと感じさせた側はそれによって守ってもらえる安心や自分の価値が認められたという自信が得られます。
万人がカワイイと思うもの代表は赤ちゃんです。なぜ赤ちゃんを見るとカワイイと思うのかについて考えてみてもはっきりとは説明できません。赤ちゃんのか弱さがその源のようにも思えます。カワイイものには弱さが含まれていることが確かに多いのですが、かといって弱いものが皆カワイイかというとそうではないようです。
カワイイには弱さや未熟さという要素が含まれることが多いので、欧米からは、カワイイことに大きな価値を認める日本の文化のことが、未成熟であると批評されることも過去にはありました。しかし、いつのまにかカワイイから派生した内容が含まれているジャパニメーション、マンガ、コスプレや萌えという日本発祥の文化や概念がglobalにも認められ輸出される現代になっているというのも面白いと感じています。
2010-03-28 11a.m.
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