カウンセリングの枠を守るということ

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カウンセリングで、安易にセラピストがクライアントをサポートしたり助け船を出したりしてしまうことには適否や賛否がある。

クライアントがメモを取りたくなったとして、ペンやメモ帳・紙などを用意しているか否か、無いならないで「ちょっと待ってもらっていいですか」「紙とペンがあったらお借りしたいのですが」などのようにコミュニケーションを取ろうとするか、それができるか否か、などがセラピーにおける重要な情報、アセスメントの鍵になることもある。
突然涙ぐんでしまったクライアントにポケットティッシュをすかさず差し出すか、ねぎらいや遺憾の気持ちを言葉に出して伝えるか、などなども同じように判断や良否が分かれるし問われる。

クライアントの元々の健全度やシテュエイション、効果の目標を短期に置くか長期に置くかなどの総合判断によるから複雑だ。
究極に割り切って向き合うのであれば、「今目の前でクライアントが死んでしまう」という状況以外でのセラピストの介入はセラピーとしてもアセスメントとしても当事者の人生としてもノイズだと言える。

私なんかは医者だから、目の前で仮にクライアントがカッターで手首を切ろうとしたとして、止めずに切り込んで出血してからでも、クライアントが相当に抵抗するのでなければ問題なく止血できるとは思うので、覚悟を持って冷静に観察しながら対応することもできるかもしれない。
本当にそうするかどうかは、その時になってみなければわからないし、相変わらずの有限不実行な性質なのだけれども。

2013-07-13 08:00

(関連エントリ)

有言不実行の勧め | deathhacks

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