図書館通勤と復職の隔たり

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うつの休養・休職からの復帰で、段階的な回復の確認と慣らしを兼ねて、「図書館通勤」が奨められることがよくある。
図書館に限らないが、自宅などでのほぼ完全な休養から、会社への復職の前段階として、どこか環境的・地理的な中間地点を見繕い、数日から2、3週間そこへ「通勤」し過ごしてみる。

現場ではとても良い感触が得られていたり、好事例が積み上がっていたりするからなのか、図書館通勤は言葉と仕組みとしてメジャーになっているようだ。
しかし、こうしたリハビリ段階と実際の復職復帰との違いは本人と周囲は理解しておく方が良い。

違いとは、量的でもあるし質的なものでもある。
特にその質的なものに注意する。

職場への復帰は、もしも最低限度の業務からの再始動、さらに自席に座っているだけという条件でも図書館通勤とは比べものにならないほど当人は疲れるだろう。
それはなぜかと言えば、一番の疲労の原因は、仕事そのものから来る肉体的・頭脳的労働に依るのではなく、人間関係によるストレスだからだ。

様々なアンケートや調査でも、仕事の負荷が単独でうつやストレスにはつながっていない。
期待されるレベルに達しないとか、評価されないとか、周りからまったく助けが得られないなど、結局は人間関係を通した精神的負担がストレスの主原因であったり、体調を崩すきっかけとなっていることがほとんどであることは理解されていると思う。
このことはうつからの復帰においても変わるわけではない。

だから、いくら図書館出勤などがうまくいっていたとしても、実際の復職や出勤の段階で、また別次元のように感じられ、ドッと疲れることを知っておくこと。
もちろんこうした警鐘は却って不安を増やすだけであるかもしれないから、個別の対応はそれぞれだ。
適切に本人や、人事、上司などに情報提供するポイントの一つになっている。

2012-09-06 13:00

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