カウンセリングで、アドバイスは「しない方がいい」のではないか、あるいはアドバイスを「してはいけない」と言われることは未だに多い。
しかし、日常生活や経験の上では、皆よくアドバイスをお互いにしているし、それでうまくいっているのではないか。
他人からアドバイスや意見をもらって、安心したり、問題解決につながったりすることは少なくないのではないか。
介入やアドバイスの負の面ばかり見ていれば、「アドバイスを禁じ手とする」ということも無理はない。
大切なのは、アドバイスが受け入れられる(役に立つ)ときと、拒否される(事態や人間関係などを悪化させる)ときの違いはなんだろうかと考えることだ。
正負の分かれ目はアドバイスの内容だろうか。
カウンセリングのテーマについて、明らかにクライアントよりもカウンセラーの方が長けている場合には、その要素が大きいかもしれないが、そういったことは確率的に高いとは言えない。
クライアントの持つ情報量よりも、カウンセラーの持つそれが上回っているということも、想像しづらい。
アドバイスの内容はあまり大きな要素ではない。
それよりも、クライアントの心身の状態やカウンセラーとの関係性の方が重要だ。
クライアントが、自信をなくし、自責的になり、何かを為しなり決心したりするためのエネルギーが乏しくなっているときには、外部からの支援は届きにくい。
カウンセラーのことを信頼していなくては、どんなに魅力的な策でも採用するのに抵抗する。
このことを踏まえた上で、アドバイスというものの是非を議論しなくては意味がなかろう。
クライアントの心身状態に適して配慮する、そしてときに言語的・意識的な要素よりも非言語的・無意識的要素をコントロールし活用するのがメッセージコントロール(を用いたカウンセリング)ということになる。
2012-07-24 07:00
(関連エントリ)
Posted from DPad on my iPad
コメント