うつで、ほんの少しだけ、今よりも楽になることを目標にする

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うつは治るし、長期的な目標はもちろんそこなのだけれども。

短期間、あるいは単回のセッションでの目標やゴールを決めるのはなかなか難しい。

ゴールを決めないとクライアントとカウンセラーの間で血管を共有するできない。
かと言って、突き詰めて、ああでもないこうでもないとやっていると、思考や感情、行動について扱う時間がほとんどなくなってしまう。

カウンセリングなどについての、こうした部分のコストを最小限にするために、ひとつには目標をカウンセラーが決め打ちしてしまうのも良い。
それが「ほんの少し状態や状況を良くする」というものだ。
イメージとしては「-2%(負担の2%減)」だ。

仮に、クライアントの日常で101%の負担が続いていたとして、そのままではいつか負債が限界を超えて潰れてしまうだろう。
101%というのは、放っておいたら回復が望めない状況のうち一番軽いものということになる。

101%から2%負荷を減らすことができれば99%になり、日常の継続の中から負債を戻していくことがギリギリできる水準になる。
だから-2%なのだ。

もちろん負荷が120%だ200%だということもあり得る(あくまでイメージ上の数字として)。
そうであっても-2%ずつ刻むことをお薦めする。
日常や行動を変える、あるいは変わっていくのにはエネルギーが要るし、リバウンドのようなリスクもあるからだ。

-2%ずつ着実に進むのならば、手応えは少なくても失敗の可能性が最小限になる。
うつの人にとって、変化しない負担の多い日常がいつまでも続く感覚は大変苦しいものだが、頑張ったことへの失敗という結果はさらに苦しい記憶となりうる。
この危険はできるだけ避けた方がいいし、わざわざ経験する必要のないものだ。

こうして目標「数値」については、カウンセラーが半ば押し付けてしまい、クライアントに一応了解してもらって、さっさと本題の感情や生活についての話し合いに入ってしまった方がとりあえずはスッキリと進められる。

2012-07-16 13:00

Posted from DPad on my iPad

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