うつのリハビリには陽のカウンセリングが要る

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うつで落ち込んだ時期、どん底に落ちた状態のクライアントに対しては、休むこと以外のほとんどすべてにうまくブレーキをかける必要がある場合が多い。

焦らない(そのためにはどうする、どう考える)。
アルコールに頼らない(プラス効果とマイナス効果のバランス説明)。
大きなライフイベントや一発逆転的なストレス解消を避ける。
劇的に回復できるような医療や魔法のような助けを求めない。

もちろんこれらを説明するのにはメッセージコントロールをしながら、味方になりつつ、クライアントを主体にして支援していく。

しかし、うつのリハビリ期には、こういった否定や防御的な情報をメインとしたカウンセリングだけではうまくいかなくなる。
せっかくある程度回復してきたクライアントに対して、いつまでも「これをしない方がいい」「ここに注意して気をつけなくてはいけない」といったメッセージのみでは、治っていくイメージを持ってもらえない。
リハビリの状態や時期にもよるが、調子が上がってきた(でも、ここからは長丁場になる)ならば、明るい未来予測を示して勇気づける要素が要るようになってくるのだ。

「頑張れ、頑張れ」
「いいじゃん。それやってみようか」
「あの時期と比べたら回復してきた感じはあるのじゃない?」

クライアントが深く落ち込んだ陰の状態から長く支援したり、悪い時期のクライアントばかりに接してきたカウンセラーは、禁止したり、心配したりするのは得意だが、陽性のアドバイスや鼓舞をすることが結構苦手になってしまっているかもしれない。
だが、「ダメ出しをすること」のダメさも知り、現場の実践に活かさなくていけない。

2012-07-08 08:00

Posted from DPad on my iPad

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