お医者さんが皆すべからく写真撮影の原理・知識を持っていると言ったら、意外に思うだろうか。
医療上の画像診断方法として、ゆるぎなく最もポピュラーなレントゲン検査を知らない人は少ないだろう。
あの検査をしっかりと活用するためには、写真というものの性質の基本的なことを知っている必要がある。
被写体(レントゲンでは人体および各臓器)の大きさや形だけでなく、X線透過性の違い、露出補正、臓器同士の前後関係、投射光と臓器の角度や位置そして感光体との遠近など。
およそ写真という技術について知っている必要があること、知っていると良いことに原則として違いはない。
蛇足として付け加えれば、現代医学では超音波エコー検査や、X線CT、MRI、放射性アイソトープ検査、SPECT、PETなど、新たな検査技術がどんどん増えているが、これらを正しく効果的に診断や治療に役立てるためにはどうしてもその科学的技術の理解が必要になってくる。
こうなってくると、医者は人体について知っているというのは、単なる前提条件にすぎない、というくらいの話になってくる。
最先端の現場で重要なのはそれにプラスして、適切な基本技術の深い理解が要求される。
翻って、心理だ。
メッセージコントロールや常識的なファーストエイドで、多くのカウンセリング場面で適切に対応ができるとは思う。
これだけでも大きな失敗はしにくいというのは大事なことだ。
しかし、より本当に心理を理解し、対応をしていくには、基礎や人間の深層部分を知っておく必要がありそうだ。
それが、精神分析なのか成長発達理論なのかはわからないけども。
(NOTE76,2011-05-12,THUより)
2012-06-22 08:00
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