商品と営業を分けてはいけない


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商品およびその開発と、それを売るための営業は、機能としては分けて考えても良いのだが、現実的に突き詰めるとそれら2つがいかに不可分かを思い知る。

良い商品がありさえすれば、営業コストは限りなく小さくなるということはあり得る。
一時的にでも、需要と供給のバランスが偏れば、これもまたわざわざ営業をして売り込まなくても十分に売り上げが上がっていくかもしれない。
ブランディングがうまくいけば同様の状態は長期的に維持できる可能性もある。

逆に、いくら商品が悪いもの、普通の製品で競争力がなかったとしても、営業力、営業努力、営業コストはコストが高ければ、製品の実力以上に売れてしまうということもあるだろう。

とは言っても、最近この論理に疑問を感じることもある。
商品が優れている、あるいは少なくとも営業をする人間がその商品をよく知っていて、良いものだと本気で思っていなくて、売り込むことができるだろうか。
やはり、「思い」がなくては他人にサービスを販売することは心理的に抵抗があるし、続けていくことはできない。

横山秀夫の「クライマーズ・ハイ」では、「正確で価値のある読者や社会のためを十分に考えた記事を紙面に載せたいという思い」を抱えた新聞社の編集部署と、「記事なんて大事じゃない。俺たちに任せておけば白紙の新聞だって売ってきてやる」とうそぶく営業部署との対立シーンがある。
極端な話だが、ここまででなくても、会社組織で、製品やサービスを売っているのであれば、自分たちがそれを世の中に提供していることの意味や仕事に誇りを持てるか否かというような悩みや葛藤を感じることは多いのではないか。

営利組織に属していれば、個人のプライドや満足度は必ずしも組織全体のそれや、別の所属者のそれとは合致しないだろう。

少なくとも商品や製品を売る段になってから「これって売れたとして、顧客に喜んでもらえるのだろうか」とか「このサービスでクライアントの問題が果たして解決するのかね」というような疑問を営業者が考え込んでしまうような可能性と深さの程度を最小限にするようなプロダクトを作りたいものだ。

2012-06-13 14:00

(関連リンク)

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