カウンセリングのトレーニング方法に武道を取り入れることができる

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昨日のエントリ(ワレイガイミナワガシ | deathhacks)で書いた、都道府県対抗なぎなた大会を観に行った話の続きを。

本戦競技の他にとても興味深い企画が行われていた。
異種競技というやつだ。
異種格闘、と言えばアントニオ猪木-モハメド・アリ戦などを思い浮かべて、格闘技経験がなく熱烈なファンというわけでもない私でも血が騒ぐというかワクワクを感じる。

今回の異種競技というのは、大会競技メインのなぎなたと剣道の代表者同士による団体対抗戦だった。
(もしかして、結構コレって定番イベント?)

5対5、先鋒から次鋒、中堅、副将、大将と順に5試合が戦われた中で、どちらが勝ったと想像するだろう。
道具やルールが違うというのは当然として、また剣道チームの5人中4人が男性であとは女性1人、なぎなたチームは全員が女性と、技術がものを言う武道だろうとは言え、まったく予想のつかないまま試合が始まった。

結果、なぎなたチームが4勝1敗で、取った本数でも9本対4本と大差をつけて勝利した。

スポーツとして、また異種対抗のエキジビションマッチとして、面白いものだったが、やはり私もそこから様々考えた。

なぎなたが勝った理由のいくつかは明らかだった。
竹刀に比べたなぎなたの間合いの長さと剣道にはない「スネ」への有効打(ルール)だ。
ほとんどその点だけで圧倒したと言っていい。

素人考えでは、剣道は、普段の、あるいは中途半端な距離間合いではなく、グッと詰めて戦うのが良かろうと思えた。
結局離れていればこちらの打突は物理的に届かないし、近づけばこちらのやりにくさ以上になぎなたは長さを持て余すのではないかと思った。
しかし、このため専用に研究や特訓をしているはずはきっとないから、頭でわかっていたとしても実際の場では実行できない。
そういうことだったのだろうと思う。

ここでの「間合い」というのはカウンセリングで言えば、カウンセラーが取るべき表情やうなずき、場の空気や要約・質問、押し付けにならない助言というか提案などだと考えた。
剣道・なぎなたなどの武道でも、カウンセリングという専門性が高い技術能力でも、最終的には技術そのものの確かさや精度、精神力などが重要だろう。
しかし、まずより簡単に基礎として用意した方が良いこと、できることはそんなにややこしいものではないはずだ。

剣道やなぎなたで言えば間合いは変化や揺らぎはあるにせよ、ある一定範囲内に保つことが有利不利や技の使用に影響する。
乱暴に言って、これは単なる「距離・長さ」だから、教えたり慣れたりするのは難しくない。

カウンセラーがどんな表情をし、間をうまく取り、適切に質問やアドバイスをするかも、一定範囲の型をつくり反復して練習できる。

おそらく武道でも、カウンセリングでも本質は同じ部分がある。
これまで、練習で学び、あとは実践形式、あるいは本当の実戦で暗黙知として一人一人が努力しなくては向上しなかった部分を、真っ先に型として提供してしまえばいい。
剣道などでは、試合のロールプレイをして、対戦者との距離を数cm単位で「測定」して、そこからの動きや対応・変化を練習する。
カウンセリングではすでに私の周辺ではメッセージコントロールという概念で体系的に整えつつあることでもある。

2012-05-29 08:00

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