惨事後集団へ介入サポートするときの個別セッションで考えるべきこと

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惨事介入のときの個人カウンセリングあるいはセッションは、通常の面談とは頭を切り替えて行う方が良い。
決して「個別カウンセリング×(かける)人数分」ではない。
このことは、やり方、そして得られる成果や効果につながる話だ。

普通のカウンセリングと違うことの一つは、面談の中で出てきた情報を、意識して提示し、活用し、つなげていくのが大事だということだ。
その情報とは、惨事についてでもいいし、組織のこと、管理者のこと、日常業務のこと、その他なんでもいいし、あらゆることだ。
もちろん、いわゆる守秘義務については配慮する。

惨事のことのうち、公然の事実であっても、細かい認識や理解にはズレがあったりする。
これをキチンと時間を確保して落ち着いて話すことは、一見単なる確認であっても、惨事体験後の人にとってはありがたい。

職場の状況や環境についても、業務内容の細部でなければ原則として、深刻な話を聞いてもらうのには誰でも知っておいてもらう方がいいと考えてもらえることの一つだ。

こうした内容や情報は、人数を重ねて、個人セッションを進めるほどに、惨事介入チームのもとに集まってくる。
チームのメンバー間でもこまめに情報などを共有する。
共有できた情報を適切に出して利用していくと、個人セッション内で、クライアントの味方になる早さがまったく違ってくる。

惨事介入時の面談は対象人数が期間に比してたいてい多い。
一人に対して20分から30分くらいしか割り当てにくいこともしばしばだ。
そこで、あらゆるテクニックや資源を使って、スピード感を高めて仕事をしていく必要がある。

一般的なカウンセリングのように、1セッションが50分から1時間、回数も数回から、期間も数ヶ月から年単位という設定があるのならば、一人一人から、面談のテーマについてゼロから教えてもらっていき、ラポールあるいは良好なリレーションを作るメリットもあるだろう。
しかし、やはり、この道筋をたどるのは、惨事後組織へのファーストエイドとしてはスピード感が合致しにくい。
面談のテーマは、その場での惨事に限定するということはないが、もしも惨事周辺の話をすることになれば、できるだけ概要の確認は短時間で済ませてしまい、個人としての反応や考えていること、困っていることなどにさっさと話題を移してしまった方が、単刀直入にメリットが得られるし、違和感も特にないはずだ。

このように、活動の全般を見渡し、適切な程度以上に近視眼的にならずに、個人対応や一つ一つの仕事をこなしていくのが得策だろう。

2012-05-19 08:00

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