労働者が睡眠と食事を削ることの意味

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労働者について産業医学的な見地からは、1日の睡眠時間がおよそ5時間を切る辺りから、脳血管障害や心疾患が発生する可能性が明らかに高まるそうだ。
実際に健康障害が発生して、睡眠時間への影響やストレスなどと職場環境や労務管理の因果関係が認められれば、労働災害ということになる。

もちろん睡眠障害や睡眠時間の短縮には様々な背景が考えられる。
仕事との関連だけでなくプライベートのトラブルもありうる。

睡眠(や食事)の状況がなぜ労働災害や過労死と密接に関連するのか。
イメージとしてわかりにくいことはないけれども少し説明をしてみる。

人間にはいわゆる三大欲求というものがある。
食欲、睡眠欲、性欲の三つだ。

性欲は置いておいたとしても、食欲、特には睡眠欲を抑え込むということは、生き物にとって究極のピンチであり、ぎりぎりの状況だ。
普通そこまでになる前に、別の部分でなんとかつじつまを合わせようとするだろう。

サラリーマンであれば、趣味の時間を削る、通勤時間を確保するために会社に泊まり込む、家族サービスを諦める、などだ。
実際のところ、仕事が忙しくて目が回るような状態で、睡眠時間を先に削って、家族サービスを最後までキープするという人は極々まれにしかいないだろう。

食事についてもだいたい同じようなことが言える。

つまり、食事や睡眠の質と時間を犠牲にしているという状況は、もう余程追い込まれていて、それ以上頑張るとか工夫の余地が少なくなっていると客観的に言って良い。
そして、疲労や総合的なストレスなどの影響と蓄積から、労働災害や過労死が起こるリスクを考え、そこには重大な労務管理責任や安全配慮義務があるというふうに、現在の産業医療では解釈している。

2012-05-05 07:00

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