命令よりも質問を疑え

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命令や指示では、人は動かない。動かせない。
強い人間関係や愛情、金銭などを介した契約などがあれば別だが、その場合でも本心から他人の言動が変わったり、最高のパフォーマンスを引き出してそれを継続させることにはつながらない。

ではどうすればいいか。
質問をすることだ。

何かをさせるためには、そのものを取り上げて「何々をしなさい」ではダメで、「これこれこういう結果が必要なんだけどどうしたらいいと思う?」と投げかけるといい。
自発的に思考して出てきた発想には強烈なパワーがある。
例えその人自身がやりたくないこと、望んでいない行動であっても、抵抗することは難しい。
その方向を無視することは、それを考えついた自分を否定しかねないから、合理的な代わりの方針を見つけない限り、自己矛盾が生じて苦しさを感じてしまう。

これはつまり、教育効果を上げるため、知識を単純に注入するだけでは得られない成果を出すためのコツだ。
ただし、質問者(教育者)の意図とはかけ離れた方向に思考が進んでしまう可能性もある。
前提にする結果の大筋がぶれないなら問題はないが。

最近のWebでも「ブラックな企業は『これをしろ』とは言わないで、『なぜできないの?』と質問責めをしてできない理由をどんどん消してしまって従業員を操るんだ」というような話を読んだ。
これなども似たようなことだ。

他人に質問をされたときには気をつけよう。
指示をされたように感じない、命令されてはいないと思っていても、実は思考や行動をコントロールされている場合があるからだ。
世の中は意外と、質問を理詰めにされると、取るべき行動や決心の幅は狭くなる。
そんなときは、やみくもに質問に答えようとするのではなく、質問の前提は何か、質問の意図は何か、質問は適切かどうかを抜け目なく考えるべきだ。

2012-04-04 08:00

Posted from DPad on my iPad

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