クライアントと自分をリアルタイムに観察しながらメッセージをコントロールする

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メッセージコントロールのデモンストレーションをやっていて、珍しく新しい発見があった。

短いフレーズにも、強く感情がこもったり(こめることができたり)、メッセージが入り込んだりすることは、確かにある。

宇多田ヒカルも、「あ」から歌い始める場合だけでも、こもった声から始めるか、サラッと始めるか、ビブラートを効かせるか、かすれさせるか、ファルセットっぽくつないでいくかなど、本当に無限の表現方法があるというようなことをどこかで書いていた。
(残念ながら、今うまく、出典がみつけられない。。)

カウンセリング、そしてメッセージコントロールではプロの歌手ほどにボーカルコントロールをする必要は少ないかもしれないが、ポイントポイントでは重要だ。

クライアントが惨事に遭遇した話を聞いて、「それは大変でしたねぇ。。」とまとめたように言ってしまうと時に嘘くさくなる。
それよりも、「こうで、こうで、その後そんな状況になってしまったんですか。。」というフレーズ自体の声質に感情を込め、抑揚をつけ、表情を曇らせ(たりす)るのだ

こうしたときのメッセージは強力だ。

事故で死にかけました、という体験を聞いた時に、その話題を取り上げるか、流してしまうかという選択や、タイミング(間が0.5秒でも空いてしまうか否か) も如実にクライアントが受け取るメッセージを決める(変える)。
ちょっとでもあいまいで、ぼかしたような表現だったら、カウンセラー自身の言葉で言い換えて確認してしまおう。
さらにまた、その言い方にメッセージをこめられる。

声が落ち着いてサラッと繰り返しているか、ためらいや恐れが入っているか、早口や逆に強調して確認するようなゆっくりとした話し方になっていたりするかなど。

まるで演劇のセリフ回しのようで、シナリオのない、カウンセリングの現場ではそんなに器用なことはできるはずがないと思う人もいるかもしれないが、先に書いたように、要所要所で半ば無意識半ば計算しながら、クライアントの反応や表情をリアルタイムに確認しながら、自分が出しているメッセージをコントロールすることはもうすでに私や仲間はやっている。

一朝一夕にできるものでもないが、訓練や現場体験、そしてふりかえりでほとんどの人が身につけ、メッセージコントロールを上達させることができると感じている。

2012-03-26 08:00

Posted from DPad on my iPad

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