慣れや習慣、訓練の力


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カウンセリングの超初心者が「死にたい」くらい苦しいクライアントに相対しなくてはいけないという場合には、手っ取り早くまずは「体験」型の学習をしてもらう。
理論よりは実戦から、だ。

組みになってもらい、話や相談のシミュレーションをしてもらう。
クライアント役には「死にたい」「消えたい」と言ってもらう。
あるいは、聞き手役には「死にたいと思うことはありませんか?」と質問してみてもらう。

質問にも訓練の余地が多くある。
以前の教育では、場面の説明だけをしてとにかく話を互いに始めてもらい、少し時間が経ったところで多少の不自然があってもズバリ核心に関する質問をしてみてもらってみた。

これだけでも初心者が練習という安全な状況で体験してもらう学習としては十分に成果は得られたのだが、さらにもっと丁寧にやるとすれば、皆に「死にたいとか、消えてしまったら楽になるとか、頭に浮かぶことはないですか?」という質問を復唱してもらうと良かったかもしれない。
英語の学習での「リピート、アフター、ミー」や体育会系での声合わせのようなものだ。

多分に精神論的なものが含まれたやり方で論理的ではないと思うかもしれないが、そう、正に精神的なブロックへの挑戦をするということだ。
とりあえず声に出して言ってみる、やってみてもらう、体験してもらうという感覚は、多人数の中でやっても良い「慣れ」につながる。
このメリットは初心者や本格的なカウンセラー以外であるほど大きい。

警察や軍隊の訓練でも、対象者に発砲したり、捕まえて無力化・武装解除するまでの一連の動作を発する声から細かな道具の使い方まで、本当にすべて緊張を解いていい段階まで実戦相当の意識で嫌になるほど繰り返すという。

この工夫や考え方はカウンセリングや相談の場についてもまったく同じだ。
凶悪で危険な犯罪や武力危機の現場と、自分や目の前の人、周囲の人たちの生命の危険を扱うという、おそらく人間にとってもっともプレッシャーのかかる状況としては似ている。
だから、綿密なシミュレーションをしたり、実際に近い状況で声や動作を本当に使ってみる、1回学んで知識として持っていれば大丈夫というわけではない、といったことを理解して学習に取り入れなくてはいけない。

2011-11-08 08:00

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