Google検索、Webでの評判、コストパフォーマンス

20110819182155

いまどきのブランディングについての雑感。

Googleで検索されないものはこの世に存在しないも同然

これだけのネットワークが存在するのだからそれを利用しない手はない。
過去の、狭く深い人間関係・情報との結びつきから、広く浅い関係に移ってきている。
ここで大事なのは、「狭く深い」か「広く浅く」かは選べるということ。
もちろん理想的には「広く深く」なのかもしれないが、時間という有限な資源によって制約を受けるということを考えれば、広さ(狭さ)と深さ(浅さ)はX-Y軸にはならない。
その掛け算、つまり面積が一つの軸の値になり、もう一つが時間になる。

良いアイデアを出すためには一つ一つの質を高めることの前に、量(数)を増やすことが有効だということは常識になっている。
それと同じで人間関係の分母を増やすためにはWebネットワークの力を用いないわけにはいかない。
そのために必要なのは、現時点ではまず、「検索されること」である。

Webでの評判は重要ではない

「Googleで検索されないものは無いも同然」と言ったことと矛盾するが、Web「だけ」を重視する必要も、今のところはない。
結局、スマートフォンなどが急速に普及はしてきているが、大衆が本当にそれを求めているのか、心からそれを望んで楽しんでいるかはわからない。
本当の普及、情報革命には数十年はかかる。
産業革命や鉄道革命と同じ事だ。
革命が革命に見えている間はまだ革命は終了していないということだ。
それを見て、無感動というのではなく、なぜそれが革命なのか、革命だったのか忘れてしまっているという状態になって初めて、歴史がそれを革命だったと記録する。

Webは流行っているように見えるが、まだまだ気にしていない世代は多く残っている。
そういう人たちは最後までWebや検索に積極的に関わろうとはしないだろう。
自分をエゴサーチしてどんな評価がされていようが気にしなかったり、そもそも知らなかったりする。
もしも自分に関する悪評があっても、それはごくごく少数のノイズにしか見えない。
周りには自分を守ってくれる、自分が守るリアルな人間関係もあるだろう。
しかし、革命は革命であるが故に進行していく。
決して止まらない。
あとは時間との兼ね合いで、革命がどの状態までくるか。
それに対して自分の人生が終わるのか。逃げ切れるのか。黙殺して終わる、終わることができるかという人知を超えた話になる。

評判とコストパフォーマンス

人間関係や評判、Web検索性などは、別にそれら一つ一つが常に最重要なものというわけではない。
例えば、あるレストランがあったとする。
そこの料理の味は最高なのだが、接客やサービスなどに難があるとしよう。
他人や客から見れば、「惜しい」気がしてしまう。
「もう少しお店の人が気持ち良く対応してくれたらいいのに」「場所さえ良ければもっともっと流行って儲かるだろうに」と考える。

しかし、当事者、店のオーナーやシェフ、スタッフはそうは考えていないかもしれない。
「今くらいお金が入ってくるなら問題ない」「別に不満があったり、嫌だったりする客だったら来てもらわなくてもいい」と思っているかもしれない。
実際、メディアや口コミなどをきっかけにして、急にそのレストランが流行ってしまい、却って常連を失ったり、料理の質が落ちたりということでせっかくのバランスが崩れてしまうことは常に可能性としてある。
あるいは、店がそういう遠謀深慮をしていて、うまくコントロールしている結果としての状態が今現在なのかもしれない。
「あまりサービスや立地を改善したり、宣伝をするとかき回されたり、自分たちのペースが乱れてしまうぞ」という風に。

まとめ

かように、ネットワークや情報、評判やそれに伴うブランディングというものは複雑な面がある。
それ自体は本質なのかどうかも定かではない。
しかし、それらをコントロールしたり、主体的に選んだりできるかは別にしても注目はして耳を立てておく必要はある。

2011-08-24 08:00

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