キャンベル基地における兵士に対する自殺予防教育

本日は記事紹介エントリ。少し古くてクレジットは5/27/2009になっている。

米軍兵士の自殺について、ある基地の状況と軍当局の見解・対策・教育などに関するもの。

以下、意訳を1セクション1文くらいで。


ケンタッキー州のキャンベル基地にて。戦争によるストレスを感じている兵士に自殺が増えている事態を重くみて、基地司令官は通常任務を3日間にわたって止めるまでの決心をした。

今年に入ってから11名(調査中のものも入れればもっと多い)の自殺者が出ていることに対して自殺予防教育を実施。

Stephen Townsend 旅団長は「現状は異常であり、好ましくない」と。

1月から3月の自殺数の多さから自殺予防キャンペーンを張り、一時は収まったかに見えた。

Stephen Townsend 旅団長「しかし、先週2名の兵士が自殺した」

師団に所属する隊員約25000人のうち4000人ほどに対して Townsend 旅団長は「自殺は止めねばならぬ」と語りかけた。

米陸軍の自殺者数は2008年にピーク。10万人当たり20.2という自殺率は年齢性別調整したものとして一般よりも高い。

2001年からの度重なる戦争任務によるストレスが問題だと軍施設チャプレンの長である Ken Brown 大佐は考えている。

交代交代であるが、各旅団は7ヶ月から15ヶ月にもわたるイラクおよびアフガニスタン従軍をしている。

「7年間ずっと戦争をしている状態だ」と Brown 大佐。

キャンベル基地指令は仲間同士 “battle buddy” システムで互いに注意を向け合うこと、部隊長は自殺の危険のある兵士を確実に掌握すること、自殺企図を持った兵士がチャプレンや医療を利用できるようにすることなどの対策を打ち出している。

しかし、軍当局は、多くの兵士はメンタルヘルスの問題を他人に明かすことによって、自身のキャリアを傷つけるのではないか、同僚から弱い奴だと思われるのではないかということを恐れていると言う。

Townsend 旅団長は「身体を怪我したときに応急処置をすることをためらったりしないのと同じように、精神的な”負傷”についても処置をためらってはいけない」と強調している。

最後の Townsend 旅団長の発言部分原文を引用する。

“You wouldn’t hesitate to seek medical attention for a physical wound or injury,” Townsend said. “Don’t hesitate to seek medical attention for a psychological injury.”

ブログ筆者コメント

名誉の負傷という考え方は必ずしも適切ではないかもしれないが、公務としての従軍による精神的負傷を負った一兵士が自殺にまでいたることには問題がある。
一般に軍隊や兵隊というものは弱音を吐かず、常に精強でなくてはならないという強い固定観念があるが、それに縛られることによってうつや自殺など、介入するべき状況が隠れてしまうことには対処していかなくてはならない。

2011-04-14 07:00

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