救急処置が必須なように、自殺企図への対処は必ずできなくてはいけない

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業あるいはプロとしてカウンセリングや相談を受ける立場にいる人は、深刻な悩みを抱えた人や自殺企図を持つくらいのうつ状態の人などへの対応のし方を「必ず」できるようにしていなくてはいけない。
ここで、業あるいはプロと言っているのは、開業しているカウンセラーはもちろんとして、医療機関に勤務するカウンセラー、スクールカウンセラー、さらには企業や組織での相談担当者など、公認されたものすべてだ。
私見としては、経営者や管理職なども含むと思う。
これらには法的にも安全管理義務などが明確にあるから。

「私のところにはそれほど深刻な悩みを相談に来る人はいないから」とか「ウチは産業医がいるからうつっぽい人はそちらへ」というのは通用しない。
自殺企図というのはこのエントリのタイトルにも入れたように「救急処置」「応急処置」をその場で、速やかにする必要があるからである。

それは交通事故や心肺停止のようなものだ。
確かに環境によっては滅多に出会うことはない。
一生そういった人や気持ちに接しない人もいる。
というか確率的には(直接には)そちらの方が多いはず。
しかし、出会ったときには一般市民としての行動が社会的には求められるはずだ。
例えば、現代では車の運転免許の取得に際して、心肺蘇生の手技や応急処置についての教育や学習が義務づけられている。
ホテルや学校、自治体、ガソリンスタンドの勤務者など、一定の確率以上に不特定多数の人間に関わる可能性のある職種・職業に就く人も半ば義務として蘇生方法やAEDの教育を受けるようになっている。
医師や歯科医師、看護師などの医療従事者も、何科を専門にしようが関係なく死に瀕した人に対する技術や知識を必ず身に付けていることになっている。
年齢に関わらず、仕事の細かな種類に関わらず。

眼科や皮膚科、歯科医師など、一般的には急な生き死にに関わらないだろうと思えるような種類の医療においても死は(ごくごく低い確率と言っても)常に近くにある。
まったく別の病気で偶然に体調が悪化することもあるし、投薬や麻酔でアレルギーを起こすこと、致死的な疾患などはありうる。

同じようにいわゆる心理職でも、「最悪の状況に対する知識と技術」が最低限度は全員に求められる。
その一つが自殺企図、深刻なうつ状態への対処だ。
あなたが対応しなければ、しかもすぐに適切に対応しなければ、少なくとも誰かや組織と連携しなければ次のチャンスがないかもしれない。
そのような考えや備えがなくてはモグリとも言える。

2011-04-03 09:00

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