心理的アクションをする前にネタをしこんでおく

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教育の場や職場にカウンセラー的な役目で(または兼務して)常駐・勤務している場合、ある人に何か心理面に関するアクションをするのには、内容だけでなくタイミングが重要です。
(実は、基本的に連続するものならば、すべてのカウンセリングに通じるのでしょうが)

私も、友人や仲間に対して、何か「気づき」や「指摘」「アドバイス」のようなものをしたくなることが結構あります。
しかし、それを伝えるタイミングは難しいものです。
気づいてすぐに、その場で伝えるのがベストのときもあれば、自分の中でそのテーマをじっくりと吟味したり、どのように指摘するか、それはいつがいいのかを考えることがあります。

例えば、相手のコンプレックス(特に劣等感 inferior comlex)を指摘してみる場合でも、実際にそれをあらためて感じたり表現したりしたときにすかさず教えてみるのがいいのか。
そしてそれは二人きり(サシ)のときがいいのか、周囲にも人がいるところでも問題ないのか。
などなどを考えます。

よくよく考えたり、準備したりする、というのは、そのテーマが逆に自分自身のコンプレックスかもしれないということもあります。
他人の言動が気になる、というのは、実は相手の問題ではなく自分の側の「問題」であることはよくあります。

今回のエントリは以前から考えていたことにプラスして以下の文章から示唆を受けています。

 ただし、いつでもどこでも不人気覚悟で自己主張すればよいというものでもない。毅然たる態度で臨んだ方がよいときと、柳に雪折れなしのスタイルで軽く受け流した方がよいときとがある。その識別を瞬時にしなければならぬ。
 その識別を瞬時にするためには普段から特定個人と特定集団をよく観察し、その問題点を把握しておくことである。そしてそのことをとりあげる好機を待ち受ける心境で接することである。たとえば、ある生徒の問題点は「分離不安」だと読み取った場合、何もないときにいきなり「君は分離不安がある」というのは不自然である。自然なコンテキストのなかで指摘しないと効果がない。何かいいチャンスはないものかと待ち受けているとき、たまたまその子が「ぼくは部活がきらいだ。早く家に帰ってのんびりしたい」といったときに、ここぞとばかり分離不安をとりあげるといった具合である。

– 学校カウンセリングの基本問題、國分康孝、誠信書房、1987年、p.169

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2011-03-19 10:00

(関連エントリ)

アドリブはストック&タイミング | deathhacks

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