SOCと無力感


珍しいよね、曲線エスカレーター

SOCという概念は疲労や不安、無力感に関連します。

SOCとは Sense Of Coherence の略称で、日本語では “首尾一貫感覚” と略されます。

(精神科産業医が明かす職場のメンタルヘルスの正しい知識、吉野聡、日本法令、2009年)

SOCの3要素は「有意味感」「把握可能感」「処理可能感」となっています。

「有意味感」がなければ、疲労は強くなります。
人間は、意味がある、何かの役に立つ(あるいは役に立った)ことにエネルギーを使うのであれば納得できます。
意味、という思考結果やそれに対する思い(感情)は、疲れに影響を与えます。
思考や感情という無形のものに対する影響ですから、直接に肉体の疲労ではありませんが、それらが相互に作用することは当然のことと考えても良いでしょう。

「把握可能感」がないと、不安になります。
先行きがわからなければ、いよいよという時までエネルギーは使わないようにしておかなくてはなりません。
そのために、不安という感情を作り、行動をしないように仕向ける本能と言ってもいいでしょう。

「処理可能感」がない状態はそのまま、無力感を感じる状況と考えられます。
これは“できると思えない”、“自信がない”ということです。
自分の能力への疑問という、とても苦しい気持ちにもつながります。

まとめると人には、「役に立つ事を見通しと自信を持ってやる」ことを望む性質があるということになります。
このことは当たり前のように思えるかもしれませんが、理屈や思考でどうにかできるものではないという意味でやっかいな事実です。
この感覚がない事については、積極的に向かわなかったり、避けたり、実際以上に疲れるようにできている、あるいはなってしまっていると考えています。

これら3要素はすべて、人間が進化することによって身につけた高度な知性がもたらすものです。
注意しなくてはいけないのは、高度に発達したこれらのものでも欠点がないわけではなく、メリットとデメリットの両方があります。
結局はある程度限定された環境や状況に最適化しているに過ぎないと言えます。

2011-02-16 06:00

(関連URL)

SOC 首尾一貫感覚 – Google 検索

(追記 2012-01-04 15:00)

It’s Party Time!: SOC(首尾一貫感覚)でメンタルヘルスケア

(引用文献)

精神科産業医が明かす職場のメンタルヘルスの正しい知識
吉野 聡
日本法令
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