自殺や事故に対して管理者がまず出すべき2つのメッセージ

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自殺や大きな事故が起きたときに組織や管理者(上司など)は同僚や仲間に対してどんなメッセージを出すべきでしょうか。

組織が出すべきメッセージには2つあります。
一つは「ウヤムヤにはしないよ」、二つめは「皆を心配しているよ」です。

ウヤムヤにはしないよ

一つめは「この件をウヤムヤにしてごまかさない。一部の人間に責任を押し付けない。なかったことにはしない。可能な限りの対応・対策をする」ということを「(できるだけ高い地位の)管理者」が公式に明言し繰り返して周知させるということです。
平常ではうまく回っていた組織や業務でも自殺や大きな事故があると弱点や間違いが見つかったり気になってきたりするものです。完璧な事業や人、管理というものはあり得ないからです。
ピンチや危機のときこそ本性や本質がみえるというのは皆さんも経験的に知っているのではないでしょうか。
普段から100%間違いのない組織や管理者はないのですが、それに対する不満や思いが危機に際しては必ず出てきます。
また当事者やその周囲、同僚は組織や管理者がどう動くか、どんなメッセージを出してくるかをとても注目します。
そこでごく短期的な視野で判断しない、保身に走らないということが組織と管理者には求められます。

皆を心配しているよ

二つめの重要なメッセージは「起きてしまったことはとても残念だし、悲しいことだが、残っている皆を心配しているし大事に思っている」ということを伝えることです。
あらためて言う必要はない、と考えるようでは普段からうまく伝わっていない可能性が高いと思います。
大きな危機であればあるほど、元々ストレス強度が高い組織であればあるほど、「何かあったら言ってくれ」では絶対にコミュニケーションはとれません。
「困ったらカウンセラーや病院に行きなさい」と言うのは誤りではありませんが、組織「も」対応する、しているということをハッキリと示さなければ、本当は「心配していない」「口だけ」という印象を与える可能性があります。
この「心配だ」というメッセージは普段から出し続け、実際に行動・実務・実績としても積み上げておくのが望ましいのです。
何かしらの事案が起きる前に考えて実行しておくべき危機管理の一つとも言えます。

さらに

これら2つの、組織が出すべきメッセージに加えるとすれば「専門家と連携してやっていく」というものでしょうか。

大きな危機ほど確率的には稀ですが、より適切な対応が必要になります。経験と知識のある専門家の支援を受けるのが望ましいでしょう。しかし稀な故、経験や知識があり、実践能力のある専門家やグループは非常に少ないと思います。

もしも組織や管理者自身が困っていたり途方にくれているというのであれば、それを隠さずに正直に表明することは、デメリットよりもメリットの方が上まわります。

重要なことは

「ウヤムヤにしない」「心配している」というメッセージは、組織が当事者として出さないと(支援する専門家が出しても)意味がないメッセージであることに気付いて注意を向けることです。

2010-05-20 7a.m.

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