隙間産業的なカウンセラーを目指す

SDIM0211

世の中には心理カウンセリングを専業としてやっている方もいますし、副業や兼務としてしている方もいます。
人事業務に携わったり管理職であったりするならば、メンタルヘルスについての知識やカウンセリング・マインドを身につけ活かすことは有用かもしれません。
スクールカウンセラーなどの活動は独立性が高いとは思うのですが、組織ニーズを把握してそれに合わせた活動をしていることと思います。

私が今自分ができること、やれることとして考えているカウンセラーはいわゆる「隙間産業」的なものです。
「隙間産業」的な活動、というのはどんなものでしょうか。

会社などの組織に、悩みやトラブルを抱えたクライアントがいたとして、その人のために、どんな支援やリソースが必要か、あるいは使えるかを考えてみましょう。
それらは大きく4つあります。所属組織、医療、クライアント本人、そしてカウンセラーです。

これらの要素のうちでメンタルヘルスに関するトラブル対処の際に一番柔軟性を保ちやすく、知識やスキルを持っている(べき)なのは「カウンセラー」だと思います。

カウンセラー以外の3者について考えてみましょう。
「所属組織」はクライアントの敵ではありませんが、その存在意義からして、短期ならともかく、メンタルヘルス不全の多くのケースで想定されるような中長期にわたって、クライアントのケア体制を維持することは難しいと思います。
「医療」は、科学としての面から、そして行政のコントロールを受けているという面からも、実際の現場ですべてのクライアントや患者に対してきめ細かなオーダーメイドの医療行為を提供することが難しいという制約があります。そこにはできることの平均的なもの、あるいはさして高くない限界というものがあります。
クライアント本人はどうでしょうか。ケースにもよりますが、現にトラブっている本人が当初からうまく対処や行動をできるようなら、おそらく最初からそこまで困った状況になっていないはずですので、クライアントが自分自身のためだとはいえ、エネルギーを割くことは期待しない方が良さそうです。
さて、この3者は元々から利害が対立するわけではありませんが、そのできること、領域が固定かつ限られているので、3者だけではトラブル全体をカバーして対処したり連携したりすることが難しい場合が多いのです。

そこで「隙間産業」的カウンセラーが登場する意義があると思うのです。
隙間産業としては主役的に華々しい活躍をするのではなく脇役に徹して、他の3者がやらないこと、できないことの「すべて」をこなします。そこに課題や仕事はあるけれど、誰もが「それは自分にはできない」「それは私の仕事ではない」という場合がありますが、そうはいってもその問題が自然になくなったり解決しないことはわけです。そんな問題への対処こそに「隙間産業」的カウンセラーの存在意義があると思うのです。
そこにはもちろん、勝手に活動するというのではなく、他3者とのコミュニケーションや調整も仕事の重要な一つにあるはずです。

待ち受けカウンセリングを専門とする「書斎派」カウンセラーもいますし、クライアントに対して積極的にリーチアウトするカウンセラーも多いと思います。けれど、私はさらに、クライアント周囲の、それこそすべての要素に関わりたいと思っています。規則違反(またはその奨励)や倫理上の越権行為をすれば、さらにトラブルを招きかねない場面もあるのですが、それをもコントロールし結果的にバランスの良い介入ができるカウンセラーでありたいと思うのです。

2010-04-16 9a.m.

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