「うつの入り口」という小手先の物言い

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悩み相談や心理カウンセリングで、明らかにうつの症状が出ていると思っても、カウンセラーはそのまま「あなたはうつかもしれませんよ」とは言いにくいようだ。
これは、判断したことを伝える単なる「見立て」とも言うべきものが「診断」という、医師だけに許されているもの、最終決定のような重みを勝手に持ってしまうことを嫌ってのことだ。

確かに「うつである」あるいは「うつではない」という一つの判断がクライアントに伝わることによって、「うつ(病)ではないのにうつだと言われそれが次の行動に結びついた」または「うつ(病)であるのに『うつではないですよ』というカウンセラーの意見によって医療機関への受診や対応のタイミング・機会を損なった」ということがはっきりとあれば問題になりうる。
だから多くのカウンセリングでは、クライアントから「私はうつ(あるいは病気)なんでしょうか?」と訊かれてもはっきりと答えることがためらわれることが多い。

カウンセリングは、あえて医療と同じことを範囲を被ってわざわざやらなくても良いとうまく考え活動できるならば問題は起こらないだろう。
しかし、時には踏み込み気味に感じても、はっきりとした意見をクライアントに投げかけてあげたほうが良いサポートになることもあるし、何しろ話が早くなるというメリットがある。

小手先のテクニックのように思えるかもしれないが、「うーん。話を聞いていると、どうもあなたはうつの入り口にいるかもしれませんねー」というような物言いはどうだろうか。
「いやね。別にいまのあなたがうつ病だというのではないし、ここで話しているだけでは決まらないし分からないんですよ。
でも苦しいしピンチだというのは事実だし、このままの状態が長く続いたら本当にうつ病になっていくかもしれません」
と継いでいく。

これならば「診断」をしているというような誤解や不適切性は無くなると思うのだがどうだろうか。

2012-12-09 13:00

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